世界レベルの100m走の選手が全員筋肉ムキムキなのを見ても分かる通り、足を速くするためにある程度の筋力が必要です。でも、筋力があるからと言って全員足が速いわけではないですよね?
どれだけ力があってもそんなに足が速くない人はいます。その違いは何なのでしょうか?
今回は足を速くするために必要な足先の固定力について記載します。どれだけ力が強くても、それを地面に伝えられなくては意味がありません。今回は地面に力を伝え、地面から反発をもらううえで必須の要素となります。
盲点だった足先の固定力
短距離の走り方は地面から反発をもらうことが重要だという話は聞いたことがあると思います。いかに地面に強い力を加えて、その反発をどれだけ効率的に走りに繋げられるかという視点は、足を速くするうえで非常に大事です。
そして今回紹介するのは、まさに地面に力を伝える最後の最後の部分、足先の固定力です!
短距離走では、踵は基本的に地面にはつきません。前足部だけが地面につきます。ということは、地面に接地する時、足の形は背伸びのようにつま先が地面についていて踵は浮いている状態です。
この地面と足裏の角度をキープできるかという点が今回お伝えしたい点です!
足先の固定力の大切さ
この接地した時、地面と足裏の角度がキープできるのとできないのとでどう変わってくるのでしょうか?
体幹や股関節など大きな筋肉から生み出した大きな力を地面に伝えるわけですが、その力に足先が負けてしまうと、接地した瞬間の地面と足先の角度がその後浅くなっていきます。つまり踵が地面に近づいていきます。
そして地面から反発をもらって、また踵が浮いていき元の角度に戻って地面を蹴り、足は空中に放たれていきます。
この間、踵が上下に動いていますが、これが足先の固定力がないということ。この動きがロスになるんです。
足先の固定力があれば、接地した瞬間から踵の高さはほとんど変わりません。そのため、力が逃げることなく地面に伝わり、そのまま反発をもらえます。足が速い選手はこの足先の固定力が強いんです!
「スーパーパー」で鍛える
ではこの固定力を身につけるためにどうすればよいか、トレーニング方法を紹介します。
それは、「足先が地面につく瞬間、足の指をおもいっきりパーにすること」。これをスーパーパーと呼ぶことにします。この感覚を身に着けることが、足先の固定力を磨くことへの近道です!
このスーパーパー、ふざけているように聞こえるかもしれませんが、解剖学的にも理屈が通っています。指を反らすことで足底腱膜が引き伸ばされ、足裏のアーチを保持しやすくなるんです。足の力が抜けないためにはこのアーチをキープする必要があります。そのためのスーパーパー!いかがですか?できましたか?
・まずは1歩1歩確認しながらスーパーパーを行う
・スーパーパーの状態で足踏みをする
・スーパーパーの状態で両足ではずむ
このように段階を踏んで足先の感覚を養っていきましょう!
それでは動画をご覧ください。