2024年はオリンピックイヤー。ラグビーW杯の熱気を引き継いで日本代表もパリの舞台で活躍が期待されます。オリンピック出場をかけたアジア予選で男女ともに見事優勝し、セブンズがオリンピック競技になってから、全ての大会で出場権を獲得しています。
今回はセブンズ日本代表でラグビーの名門東海大仰星高校出身の林大成選手が、岸岡智樹選手(ONEクボタスピアーズ船橋・東京ベイに所属するラグビー選手でパスの名手)からスクリューパスを教わる動画を参考に、パスの極意について解説していきます。
岸岡選手のパスは捕れない!?
キャッチに慣れているラグビー選手でも、岸岡選手のパスは慣れるまで捕れないと林大成選手は言います。岸岡選手のパスを受ける選手は、パスの軌道がこれまで受けたパスと異なって伸びてくるため戸惑うそうです。
回転のかけ方や体重の乗せ方が上手く、ジャイロ回転が強くかかるため、ボールの受け手の所で落ちないボールが投げられています。
このボールの秘密はどんなところにあるのでしょうか?
林選手の投げ方を指導しながら、ボールの投げ方について次の2点を岸岡選手は指摘しています。
ボールの先端を最初から相手に向けておく
岸岡選手は、ボールの先端がどういう向きで飛んでくるのかが大切だと語ります。
林選手の投げ方は、ボールを腰の横にセットして身体の前を通して相手に投げます。この投げ方だと、ボールの先端が前を向いた状態から半円を描くような動きをするため、その円運動の流れで想定よりも後ろに投げてしまいがちになります。
それを防ぐために、最初から持ち手を返して先端を相手に向けた状態でセットし、そのまま相手の方向に手を出す投げ方にします。そうすることで、力のロスを少なくし、ボールに効率よく力を伝えてまっすぐの軌道のパスが投げられます。
セットとリリースを早くする
岸岡選手のパスの投げ方は、林選手と比べるととてもコンパクトに見えます。その違いについて、岸岡選手は以下のポイントを挙げています。
- 最初から手を返してセットしている
- リリースポイントが林選手と比べて早い
- ボールに触れている時間が短い
岸岡選手は、指に力を入れるほどリリースが遅れるといい、脱力してボールを投げる瞬間に指の力をかけることでリリースを早くできると語っています。ボールに触れている時間が短くできると、試合では相手の反応を見ながらプレーできるため、よりレベルの高いラグビーが実現可能です。
いかがでしょうか?
パス一つを極めると、プロ同士でもこんなに違いが出ます。練習から1球1球大切にして臨みましょう!
それでは動画をご覧ください。