
夏の暑い時期にしっかり走り込んだランナーにとって、秋はその成果をレースにつなげる大切な期間です。
特に9月から10月は「移行期」と呼ばれる時期で、基礎をレース仕様へと整える大切なステップ。ここをどう過ごすかで、11月や12月の本番での走りが大きく変わります。
今回は、その移行期のトレーニングのポイントをわかりやすく紹介します。
移行期は「土台からレース仕様」への橋渡し
夏に積み上げた走り込みは、いわば体づくりの土台。そのままではレースで力を発揮できません。9月、10月は、その土台を「レースで使える状態」に整えていく時期です。
たとえば200m坂ダッシュのような汎用的な練習から、フルマラソンに特化した30〜40km走へと移行していくイメージ。一般性の高い練習から、レースに直結する練習へ少しずつ切り替えることが重要です。
段階を踏んで距離と質を高める
移行期の大原則は「少しずつ段階を踏むこと」。
夏に20kmまでしか走っていなかった人は、25km、28kmと距離を少しずつ伸ばし、最終的に42kmに近づけていきましょう。
スピード練習も同様で、200mインターバルから始め、つなぎを短くしたり距離を400m、800m、1000mと伸ばしながらレースペースに近づけていくのが理想です。
一気に飛ばすのではなく、体を慣らしながら移行することでケガを防ぎ、確実に力を積み上げられます。
練習量は急に減らさず、自然に調整を
夏の走り込みを終えたからといって、9月から急に練習量を減らすのはもったいないこと。移行期は、質の高い練習を取り入れる分、自然と練習量が少しずつ下がっていくのが理想です。
例えば中強度の練習を週3回から2回に減らし、残りを低強度にするなど段階的に調整をしましょう。急激な変化を避け、メリハリを意識した練習で本番につなげていきます。
9月、10月は、夏に築いた土台をレース仕様へ整える「移行期」。距離を少しずつ伸ばし、スピード練習も段階を踏んで移行しながら、練習量を自然に調整していくことが大切です。
この時期を丁寧に過ごし、秋冬のフルマラソンで最高の走りを披露しましょう!