本記事では、2022年6月7日に行われた対北海道日本ハムファイターズ戦において、ノーヒットノーランを達成した横浜DeNAベイスターズ所属の今永昇太選手のピッチングフォームを紹介します。
今永選手は現在、2023年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の日本代表にも選出されており、活躍が期待されています。
今永選手の投球フォームはストレートの球速の場合、高速と言わずとも差し込まれてスイングする打者が多く、ボールの出所がわかりにくいことが特徴です。打者を翻弄させるピッチングの工夫とは。詳しく解説していきましょう。
①セットポジションの足の位置をプレートの一塁側に置いている
動画を再生し、セットポジション時の足の位置を確認しましょう。プレートの左側(一塁側)に足をセットしていることがわかります。
足を一塁側に置くことで、バッターにとって今永選手の左肩や左腕が見えにくくなり、タイミングを崩しやすくなります。できるだけボールを隠したい、という今永選手の戦略の表れとも言えるでしょう。
今永選手はワインドアップを採用しておらず、ランナーなしでもセットポジションから投球を始めます。このことも、足の位置をずらさない工夫の一つです。
②胸を開かずにしっかりと壁を作って投げている
この点も動画で確認できますが、今永選手は胸の開きを我慢し、しっかりと壁を作っています。右腕から左腕まで一直線に壁を作ることで、打者は今永選手のボールの握りや手首の角度をリリースギリギリまで見ることができなくなります。「壁を作る」こともボールを隠す工夫と言えるでしょう。
また肩の開きを抑え、フラットな状態で投げることで腰の反りを防ぎ、肩への負担も少なくなるので怪我の予防にもなります。
今永選手の投球フォームは無駄がなく美しい印象を持ちますが、その中にもさまざまな工夫を取り入れていることがわかりました。左ピッチャーは特に、体の開きが早い選手は参考にすると良いでしょう。
それでは動画をご覧ください。