野球のルールはとても多くて複雑なため、すべて把握することは難しいと言われています。
本記事では、頻繁に起きるケースでプロ野球選手も間違えてしまうルールについて紹介します。はじめに、2021年5月29日❨土)春季近畿地区高校野球大会の準決勝で起きたプレーを見ていきましょう。
〘 野球ルール 〙2人の走者が同一の塁に触れているとき 大阪桐蔭 – 智辯和歌山 2021年5月29日❨土)春季近畿地区高校野球大会[準決勝]
後述では状況を整理し、塁の占有権は誰にあるかを順に説明します。
動画の状況
2回裏 1アウト2,3塁
①セカンドゴロバックホーム→3塁ランナーは3塁に戻る
②2塁ランナーも3塁ベース上に
3塁ランナーと2塁ランナー2人の走者が同時に一つの塁を占有している状況です。その後の両チームの動きを見ていきましょう。
③智辯和歌山(ちべんわかやま)の選手が塁上にいる2人にタッチ
④離塁した大阪桐蔭の3塁ランナーにもタッチ
このケースで適用されるルールが「塁の占有権」です。「塁の占有権」とは、
2人の走者が同時に一つの塁を占有することは許されない。また、ボールインプレイの際、2人の走者が同一の塁に触れているときは、その塁を占有する権利は前位の走者に与えられているため、後位の走者はその塁に触れていても触球されればアウトになる。
というルールです。
このルールに当てはめて今回のケースがもたらす結果について解説します。
塁の占有権は誰にあるのか
「塁の占有権」のルールに則ると、占有権は3塁ランナーにあることがわかります。この点を踏まえて、動画を最後まで見ていきましょう。
【動画の状況】の③では、「塁の占有権」を適用すると2塁ランナーがアウトになります。しかし、大阪桐蔭の3塁ランナーは自分がアウトになったと判断し離塁→野手にタッチされてしまいます。この場合、3塁ランナーももちろんアウトになります。1アウト2.3塁が一つのプレーで3アウト、チェンジになります。
野球のルールは難しいため、「塁の占有権」で判断に迷ったランナーは、自己判断せずに塁に留まり、審判からの指示を待つことも手段の一つです。チーム内でも野球のルールを勉強する機会を設けることも良いでしょう。
この「塁の占有権」はプロ野球選手でも間違えることがあるルールです。実際にプロ野球の試合で起きたプレーも参考にしてみてください。