レシーブの指導を受ける場面で、「面をセッターに向けろ!」「ボールをよく見ろ!」「一歩を出せ!」と言われたことはありませんか?本記事では、よく耳にするこの3つについて詳しく深掘りします。これらは状況によっては正しくもあり、間違っていることもあるので、理解した上で意識するようにしましょう!
基本姿勢
手の形は手の指を重ねて親指を揃えます。肘の関節はしっかりと上に向けましょう。肩甲骨を上げるイメージで構えると、より平らな面を作ることができます。平らな面が大きいほどミスが少なくできるので、肘と肘を寄せるようなイメージで面を作ってください。
足は肩幅よりも広げ、バランスを取るためにどちらかの足を1歩前に出しましょう。
ボールを受ける前の姿勢は、肩をリラックスさせ手は組まずに胸の前で構えます。ボールが来たら、肩甲骨を上げるイメージで下から上に腕を出しましょう。その際、前腕部をできるだけ平行にしたまま手を組んで打つようにするとミスが減ります。ボールが腕に当たる瞬間に少し力を入れるだけ。腕の振りが小さくてもボールはしっかりと飛びます。
「面をセッターに向けろ!」は間違い?
ボールを受ける瞬間に正しい面が作られていれば、ボールは勝手にセッターの方へ飛びます。実際に面をセッターに向けてレシーブをしてみると、セッターの左側にボールがずれてしまうため、ボールが来る方向とセッターの中間に向かって面を向ける必要があります。
バレーボール経験者は、感覚としてセッターに面を向けているという認識ですが、初心者の選手はセッターに向けてレシーブをするとズレてしまうことがあるため、ボールが来る方向とセッターの中間を狙ってレシーブしましょう。
ボールをよく見るほど軌道が読めない理由
サーブレシーブでボールの軌道が読めず、落下地点に入れないことがあります。その際よく耳にするのが、「ボールをよく見ろ!」という指導です。確かにボールをよく見る必要はありますが、よく見て軌道を読むためには重要なポイントがあるのです。
重要なポイントは、「頭を動かしてはいけない」ということです。頭を動かしてボールを視野の中央で捉えようとすると、ボールの軌道は読みにくくなります。一方で、頭を固定したまま目の動きでボールを見た方がボールの軌道がわかりやすくなります。これは、周囲の景色との対比によってボールの軌道がよく見えるためです。
サーブレシーブを受けるときは、顎を上げすぎず、頭をできるだけ上下に動かさずに目だけでボールを追うようにしましょう。
なぜ一歩が出ないのか
レシーブの精度を上げるには、フットワークもとても重要です。ボールの落下地点にいち早く入ることができれば、レシーブの成功率はグッと上がります。
強打をレシーブする場面で、足下にボールが落ちてしまいあと一歩で取れた、ということがありますよね。しかし、このような状況で一歩を前に出すことはほぼ不可能です。なぜならば、人間が瞬時に判断して一歩前に動くには0.5秒かかり、スパイクの速度は0.3-0.4秒だからです。
では、どのようにしたら良いのでしょうか。その答えは、「もう一歩前で構える」です。一歩前で構えることで、前に落ちるボールや奥のボールにも反応できます。横のボールは、足幅を広げていれば0.3秒で動けるので拾うことが可能。つまり、強打を取れるかどうかは「相手が打つ直前の位置取り」にかかっているのです。
ただし、フェイントやバックアタック、サーブについては自陣に到達するまでに0.5秒以上かかるので「一歩を出す」ことが重要です。ネット際からの強打については、位置取りが重要になります。
以上がミスを防ぐレシーブの考え方です。ぜひ参考にしてみてください。
それでは動画をご覧ください。