大豆の食べ過ぎにより女性ホルモンが大量に分泌されるという話を聞きます。それが事実であれば、筋肉の減少の可能性も考えられるので、注意が必要です。筋肉との関係性や正しい摂取方法を説明していきます。
筋肉と大豆の関係性
大豆は100gあたり163kcal、たんぱく質量は100gあたり14.8gと植物性たんぱく質の中で最も多い食材になります。また、アミノ酸スコア、吸収率などもお肉や魚よりも高く、唯一植物性たんぱく質の中でアミノ酸の吸収率が高い食材です。一方、大豆イソフラボンは女性ホルモンと同様の働きをするというマイナスなポイントもあります。
10年以上前の研究で、1日360㎎の大豆イソフラボンの摂取によって、大幅なテストステロンの減少、性腺機能が低下するという結果から、大豆を摂取すると筋肉が減少し、性機能も低下すると言われはじめました。テストステロンは男性ホルモンの一つであり、テストステロン濃度を正常範囲内に保つことで筋たんぱく質合成が促進されますので大豆を摂取することで、筋肉がつきにくくなることが明らかになりました。しかし、この実験の大豆イソフラボンの量は現実的に摂取できる量ではないので、参考になりません。
その後の実験で、大豆イソフラボンの摂取量を1日100mg未満、豆腐400g以内であれば良質なたんぱく質として機能するということがわかりました。
正しい大豆の栄養戦略
正しい量の大豆を正しく摂取するための栄養戦略としておすすめなのが納豆の摂取です。納豆には大豆由来のたんぱく質だけでなく筋分解の抑制効果があることがわかっています。また、筋肉の上限量を向上させる効果もあります。特にビタミンKは骨量、骨密度を向上させ、筋肉上限量を上げます。基本的に筋肉は骨と骨に付着するので、骨量が多い人ほど筋肉が大きくなりやすいと言えます。さらに、実験の結果からも骨密度が上がれば上がるほど、筋肉量が増えていくことがわかりました。つまり、筋肉を増やしたいのであれば骨の健康も考える必要があります。
納豆1パックに、36㎎の大豆イソフラボンが含まれているので、1日2パックを目安に摂取しましょう。大豆イソフラボンの摂取量に気を付けながら生活してください。
たんぱく質を摂取しようとすると、動物性が多くなりがちですが植物性たんぱく質は筋肥大に良い効果をもたらすことがわかります。食事やサプリメント等、栄養に関してはきちんと調べたうえで摂取するようにしましょう。