数々の国際大会で日本代表として走り、東京オリンピックでは見事6位に入賞した大迫傑選手。マラソンに詳しくないという方でも、この名前を知らない人は少ないのではないでしょうか。
2023年10月に開催されたMGCで、大迫選手は惜しくも3位。1位小山直城選手と2位赤﨑暁選手は日本代表に内定するも、大迫選手はあと一歩のところで逃しています。
しかし、日本代表の可能性が無くなったわけではなく、残り1枠は、福岡国際マラソン・大阪マラソン・東京マラソンの3大会で争われます。この3大会で設定記録2:05:50をきる選手がいればその選手が内定。もし設定記録をきる選手がいなければ、MGCで3位に入った大迫選手が日本代表としてパリを走ることになります。
前回の2020〜2021年は、MGC3位ながらも東京マラソンで設定記録を上回る走りを見せ、大迫選手は自力で代表の座を勝ち取りました。しかし、今回の大迫選手は東京マラソンへの出場を回避し、選考対象とはならないボストンマラソンへの出場を表明しています。つまり、日本代表の座は、他の選手の結果にゆだねられた格好です。
このことについてはこちらの動画で解説されていますので、是非ご覧ください。
参照元:衝撃!!大迫傑選手がMGCファイナルチャレンジを回避し4月のボストンマラソン出場へ
そして、そんな大迫選手のランニングフォームについて解説している動画があります。厚底シューズを日本で初めて履いたと言われる大迫選手が、厚底シューズで走ることでどのようにフォームが変わったのかについて詳しくみていきます。
厚底シューズ着用前後の変化
薄底シューズを履いて出場した2015年のレースと厚底シューズを履いて出場している2023年のレースを比較して変化した点は大きく以下3つです。
- 振り戻し足の踵が高く上がっている
- リカバリー時の膝を折りたたむ角度が小さくなっている
- 離地局面でのシューズの曲がり具合が異なる
①振り戻し足の踵が高く上がっている
これは、厚底シューズが生み出す反発力によるものと推測されます。
②リカバリー時の膝を折りたたむ角度が小さくなっている
膝を折りたたむことで足全体の慣性モーメントが小さくなるため、スイング速度が上がるという利点があります。厚底シューズの反発力を効率よく利用していることが伺えます。
③離地局面でのシューズの曲がり具合が異なる
これが最も大きな変化です。シューズが大きく曲がることで、生み出す反発力を最大限に引き上げることができます。それだけでなく、その力を有効利用するためには、反発力の方向をコントロールする必要がありますが、この離地期で力の方向も調整していると考えられます。
厚底シューズはあくまでツールです。使う側がいかに活用できるかが大切です。大迫選手のフォームの変化から、厚底シューズを履きこなすヒントが得られると思います。是非参考にしてください。
それでは動画をご覧ください。