
陸上競技をしていると、多くの選手が練習に取り入れているであろう『バウンディング』。短距離選手に限らず、跳躍種目、投擲種目を専門としている選手も行ったことがあるのではないでしょうか。
しかし、何のためにバウンディングを行っているのか、また正しいバウンディングをする時のポイントなど、正しい理解がある選手は少ないように感じます。
本稿では、そんなバウンディングについて、必要性やポイントについて解説します。
バウンディングは地面からの力を逃がさないための補強
バウンディングは、脚が地面に着地した瞬間に受ける地面からの反発力を、身体のどこかで逃がすことなく、しっかり受け止めて、余すことなく走る力や跳ぶ力、投げる力へと繋げていくための練習です。
例えば、走る動作において、片足が地面に接地した際、反対側の骨盤が落ちるような姿勢になる選手がいます。これは骨盤部分で地面から受けた力が逃げてしまい、結果的にスピードが落ちてしまいます。
地面接地時に足にかかる力は体重の約5倍と言われており、十分な筋力や技術がないと、その力に負けてしまい、接地時に身体が曲がります。これを「潰れる」と表現することもありますが、バウンディングは潰れないための練習です。
この身体の使い方は短距離選手に限らず、跳躍選手や投擲選手も含む、陸上競技の選手全員の基本となります。
バウンディングは上半身主動・脚は受け身
実際にバウンディングをする際に意識することをお伝えします。
- 接地時に足首・膝・股関節が潰れないよう身体を支えること
- 下半身は踏み込むなど能動的な動きはしないこと
- 腕をしっかり振り込み、上半身主動で行うこと
バウンディングは下半身で身体を押しているように見えますが、脚で地面を押すなどの能動的な動きはしないことがポイントとなります。
前述した通り、バウンディングは地面からの反発力をうまく活用する練習です。身体が潰れなければ地面から力をもらうことができるため、脚でがんばって地面を押す必要はありません。地面からの力を受け止めることに意識を向けていきましょう。
そして、主動していくのは上半身です。腕を脚のタイミングに合わせてしっかり振り込むことで、上若しくは前へ移動することができます。下半身はあくまで受け身。上半身でコントロールしていきましょう。
以下の動画では実際にバウンディングを行っているシーンがあります(4:14~)。動画で動きを確認しながら、意識すべき点を明確にし、バウンディングの練習をしてみてください。