本記事では東京ヤクルトスワローズに所属している村上宗隆選手の打撃論「身体の中で打つために意識していること」を紹介しています。
村上宗隆選手は2022年に打率.318 34ホームラン 134打点を記録し、最年少で三冠王を達成。2023年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)野球日本代表・侍ジャパンのメンバーにも選出されました。
村上選手はバッティングの中で、「身体の中で打つこと」を大切にしています。身体の中で打てるようになることで、ボールに自分の力を十分に伝え、逆方向へもホームランが打てるようになるためです。しかし、身体の中で打つバッティングフォームを習得することは、簡単なことではありません。
そこで、今回注目したのが「身体の中で打つために意識すること」です。バットの軌道や腕や手の動きを改善するのではなく、肩や頭の動きやスイング時の意識を変えることで身体の中で打つ村上選手のようなスイングを習得することができます。
それでは、村上選手は身体の中で打つために何を意識しているのか詳しく見ていきましょう。
顔と左肩の位置を意識し、投手に胸を見せない
身体の中で打つバッティングを習得するために、村上選手は左肩と頭を意識していると動画内で(3:22〜)で語っています。
身体の中で打つ意識が強すぎると手や腕でバットを操作し、手首をこねるような形のスイングになってしまったり、引っ掛けた打球になったりしてしまいがちです。
しかし、顔や左肩を意識すると身体の中で打つためのスイングをすることができます。顔の位置をできるだけ動かさず、左肩を残す意識でスイングすることで、自分の胸をピッチャー側に見せず、身体の中で打つことができます。
ヘッドは自分で返さず、勝手に返るイメージで
村上選手は顔や左肩を残す意識に加えて、「ヘッドを返すのではなく、ヘッドは勝手に返る」意識を持つと良いと語ります。
ピッチャー側に胸を見せず、左肩を出さない意識でスイングすると、勝手にヘッドは返っていきます。自分からヘッドを返そうとスイングすると、上手に身体の中で打てなくなってしまいます。
また、高校生以下が使用する金属バットはヘッドが軽いため、本来ヘッドを返したい位置よりも手前でヘッドが返ってしまいます。そこで、バットの芯の先っぽではなく、手前で打つイメージを持ってスイングをすることで、ヘッドを自然に返すことができます。
村上選手は、左肩と顔を残してヘッドは勝手に返るという意識を持つことで、お手本のような身体の中で打つバッティングを実現させ、ホームランを量産しています。
村上選手の実際に動作を交えながら説明している様子をご覧になりたい方は、以下の動画もご覧ください。