7月14日から17日間にわたり、九州の福岡で開催される世界水泳。日本での開催は22年ぶり!世界中からトップスイマーが日本の福岡に集結します!世界水泳を今まで以上に楽しく観戦するために、今大会注目の選手をご紹介します!
今回紹介するのは、東京オリンピック女子200m自由形・女子400m自由形の2種目で金メダルを獲得した、オーストラリアのアリアン・ティットマス選手。
なんとあだ名は「ターミネーター」なんだそうです。その由縁は、ラストスパートでライバルを抜かして女王にとどめを刺すというところからとのこと。
ターミネーターと呼ばれるアリアン・ティットマス選手とはいったいどういった選手なのか、動画をもとに解説していきます。
驚異のラストスパート
競泳の中では中距離に分類される400m。前半型だったり、後半型だったり、はたまた徐々にスピードをあげるビルドアップ型だったり、選手によってタイプが異なります。アリアン・ティットマス選手は後半型!なんといってもラストスパートがすごい!
2019年に韓国で行われた世界水泳 女子400m自由形では、絶対王者と言われているアメリカのケイティ・レデッキー選手をラスト50mで追い抜かし、さらに差をつけて優勝するという快進撃を魅せています。
最後の最後まで緻密なストロークを崩さず丁寧にかく泳ぎでこのラストスパートを実現させているわけですが、競泳の中でもかなりタフなレースとなる400m自由形のラストで、こんなにも丁寧に泳げることがそもそも驚愕なんです。
呼吸のタイミング
驚異のラストスパートを可能にしている秘訣の1つ目は呼吸のタイミング。
他の選手が2回ストロークを行って1回息継ぎをする中、アリアン・ティットマス選手は4回ストロークを行ってから1回息継ぎをしています。
息継ぎをすると減速をすると言われていますので、息継ぎは少ない方がスピードにのりやすく、他の選手より息継ぎの回数が少ないアリアン・ティットマス選手に有利に働きます。
では何故他の選手もアリアン・ティットマス選手のように4回ストロークの後に1回息継ぎをするという頻度にしないのでしょうか。
それは、中距離である400mを全力で泳いでいるわけですから、もちろん息が上がり、呼吸が苦しくなるので息継ぎを減らすということが出来ないのです。もし仮にできたとしても、ストローク数が多くなったり、ストローク長が短くなったりとフォームが崩れていきやすく、結果減速してしまいます。
アリアン・ティットマス選手のすごさは、ラスト50mでも息継ぎの数を増やさず、且つフォームもきれいに保つことが出来る心肺機能!
真っすぐなストローク
驚異のラストスパートを支えているもう1つの要因が、真っすぐ手を前に伸ばした状態からまっすぐ水をかいてこられるストローク!
息継ぎのタイミングでストロークが少しでも広がると、キャッチの際につかめる水の量が少なくなってしまうので、そうならない為にキャッチの時の手幅を狭くする練習を行ったそうです。
まっすぐ水をかくとものすごい水の重みが腕にかかりますが、アリアン・ティットマス選手はバケツ何杯分もの水をかけるようキャッチの先端の力をつけたと、動画内のインタビューで話しています。
強靭な心肺機能と、大量の水をかくストロークから繰り出されるラストスパート、今年の世界水泳でも注目ですね!
それでは動画をご覧ください。