外旋六筋とは、股関節に存在する6つの筋肉の総称で、身体の力の発揮に重要な役割を果たしています。外旋六筋をストレッチすることで身体の安定性が増し、より強いパワーを発揮できます。外旋六筋の解剖学とストレッチ方法を紹介します。
外旋六筋の解剖学
外旋六筋は、股関節の外旋時に働きます。実は個別の筋肉の名前ではないです。脊柱起立筋群と似ています。前から見える梨状筋、外閉鎖筋、後ろからしか見えない上双子筋、内閉鎖筋、下双子筋大腿方形筋で構成されています。梨状筋が一番大きい筋肉ですが、個人差があり形が違う人、梨状筋が生まれつき無い人もいるそうです。
梨状筋は、骨盤内仙骨の内側、第2~4前仙骨孔縁から大坐骨孔を通過し大転子内側に付着しています。停止部はやや身体の後ろよりです。そのほかの骨盤の裏側にある筋肉は、概ね骨盤のヘリから大転子に付着します。内閉鎖筋のみ骨盤内に起始を持ち、ぐるりと回りこんで大転子に付着しています。
実は、外旋をするための力はそこまで強くなく、股関節の動き始めの方向付けをしたり、軌道を調整したりする役割をしています。梨状筋はわずかに外転動作も含まれます。
外旋六筋が及ぼす悪影響
外旋六筋は、大腿骨を骨盤に固定する役割をしています。外旋六筋が弱くなると股関節が弱くなり、力のロスが発生し階段を踏み外したりしてしまうことがあります。
外旋六筋は非常に硬くなりやすいです。左右のお尻の大きさに差が出てきます。脚の力を発揮する際、出力が安定しにくくなったり重心がぐらつく原因にもなります。外旋六筋が人間の重心を中央よりわずかに後ろに保つ働きをしているためです。
骨盤としての柔軟性が失われることで、骨盤後傾、猫背、首の凝りの原因になります。過度なO脚にも発展します。適度に鍛え、解すことで見た目の改善だけでなく、トレーニングの出力向上、安定がはかられます。身体の回旋性能も上がります。
外旋六筋のストレッチ
- 座った状態で右足を内側に倒し左足を右ひざの上に乗せます。
→外旋六筋、大腿筋膜腸筋がストレッチされます。 - 仰向けに寝て、両膝を90°に立てます。角度を保ち、横に倒します。
右足を左足の奥に持っていき、手で膝を持って倒します。
→外旋六筋がストレッチされます。 - 壁から30cm程の距離に立ち右足を曲げて壁に押し付けます。足が少し外側になるように しましょう。両手を広げ、右足で左足のつま先を触るように上体を回転させます。
→外旋六筋がストレッチされます。