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今更聞けない「プロテイン」について 〜プロテイン攻略〜|タンパク質 ホエイ ソイ カゼイン ホエイペプチド 乳糖不耐症 腎臓 インスリン

今更聞けない「プロテイン」について 〜プロテイン攻略〜|タンパク質 ホエイ ソイ カゼイン ホエイペプチド 乳糖不耐症 腎臓 インスリン

現代はプロテインの戦国時代と言っていいほどプロテインに溢れています。色々な種類のものがあり、たんぱく質を摂りましょう、美容や健康に良い、プロテインで痩せる、といった文句を聞くことが増えましたが、情報が多すぎて結局何者なのか、色々な味やブランドがあり何を選べばいいのかわからない人も多いでしょう。

本稿では、そのような方向けにプロテインについて説明していきます。

プロテインとは

プロテインは英語にすると「Protein」、日本語に訳すと「タンパク質」です。プロテインと聞くとプロテインパウダーやプロテインドリンクを想像すると思いますが、栄養成分の一つのタンパク質ということになります。

よく耳にする「PFC」という単語のPは「Protein=タンパク質」、Fは「Fat=脂質」、Cは「Carbohydrate=炭水化物」のそれぞれの頭文字をとったものを表現しています。このPFCは身体づくりをする上で欠かせない3大栄養素です。

タンパク質の働きとしては、筋肉はもちろんのこと、髪の毛、肌、爪など、身体の細胞を作るもので、ヒトの身体にとって重要な構成要素の一つです。

筋肉がつくことで代謝が上がり、運動をしなくても消費してくれるカロリーが増えます。つまり太りにくい身体になるということです。

タンパク質は肉・魚・卵・豆・豆製品に多く含まれています。身体に良いからと言って沢山摂れば良いわけでもなく、適切な摂取量があります。トレーニングをしている人、筋肉をつけたいと思っている人であれば体重(kg)の2倍を目安に摂りましょう。

もちろん個人差がありますが、最低でも自分の体重(kg)と同じくらいは摂れるようにしましょう。

例)体重70㎏→理想70×2g=140g、最低70g

タンパク質の摂取に慣れている方は先ほどの食品で摂取できますが、初心者はなかなか難しく、お肉をたくさん食べることに飽きがきたり、身体づくりのため健康的な食事を意識すると甘いものが食べたくなったりします。

そういった時にプロテインパウダーが広く活躍します。タンパク質だけをすぐに摂取することができ、吸収も早く、味の種類も豊富です。プロテインはどうしても薬というようなイメージを持たれがちですが、ただのタンパク質の粉です。成分は肉・魚・卵・豆・豆製品と同じです。飲むだけでタンパク質が摂取できるので、成人だけでなく子どもや高齢者にも摂取はオススメです。

プロテインの種類

今はたくさんの種類のプロテインが販売されており、何を選べばよいかわからなくなると思います。ここではプロテインの種類について解説します。

プロテインには大きく3つの種類があり、ホエイプロテイン、カゼインプロテイン、ソイ(ビーガン)プロテインに分けられます。原材料が違うので目的により飲み分けるのがポイントです。

ホエイプロテインは牛乳に含まれるタンパク質を原材料としており、吸収が早いです。味も臭みやドロドロ感が少なく、飲みやすさがあります。

また、ホエイプロテインにもWPC(WheyProteinConcentrate)、WPI(WheyProteinIsolate)の2種類あります。

一般的にはWPCが販売されており、WPIよりも安価です。ただし、ホエイプロテインを飲むとお腹がゴロゴロしたり、お腹を下してしまう乳糖不耐症の方はWPCではなくWPIのホエイプロテインを飲むようにしましょう。WPIはWPCよりも乳糖を取り除いたタンパク質の純度の高いプロテインです。糖質・脂質も少ないのでその分値段は高くなります。

カゼインプロテインは牛乳からホエイと脂質を取り除き、残ったカゼインを加工してプロテインにしたもので、吸収率が遅く、腹持ちが良いです。トレーニング後にはおすすめできませんが、寝る前や間食などダイエット中の方にはオススメです。

ソイ(ビーガン)プロテインは大豆を原料としています。豆なので少しざらつきやきな粉のような感じが残ります。特に女性ホルモンに必要なイソフラボンが豊富で美容効果も高いです。女性やゴリゴリにトレーニングしていない方はソイプロテインを選ぶと良いでしょう。

参照元:【🔰プロテインとは❓】目的別の選び方・種類の違い・メリット・効率の良いタイミング・太るの?痩せるの?

最強のホエイペプチド

基本的なプロテインを3種類説明しました。ここからは競技者向けのホエイペプチドについて説明していきます。ホエイペプチドはプロテイン界では「最強」と言われています。

ホエイペプチドとは、ホエイプロテインをペプチド状にしたものです。タンパク質はアミノ酸の集合体でアミノ酸が51個以上繋がったものをいうことが多く、アミノ酸が2〜50個繋がった状態のものをペプチドと呼びます。つまり、ホエイペプチドとはタンパク質よりもアミノ酸の粒子が細かいが、単一のアミノ酸までは分解されていないもののことです。

ではなぜホエイペプチドが最強といわれるのかというと、吸収機会が多くなることと考えられています。アミノ酸を吸収する場合、小腸の絨毛上皮細胞から吸収され、特定の受容体とくっついて体内に入るので、アミノ酸単一だとアミノ酸単一用の受容体があります。

ですが、ジペプチド(2つ繋がった状態のもの)、トリペプチド(3つ繋がった状態のもの)専用の受容体もあります。このとき単一のアミノ酸はジペプチド、トリペプチドの受容体にはくっつくことはありません。

考え方としては1人用、2人用、3人用もエレベーターがそれぞれあり、1人ずつ並んでいても、1人用しか乗れませんが1人組、2人組、3人組と色々な組み合わせがあればすぐにエレベーターに乗ることができ目的階まで行くことができるということです。

タンパク質はタンパク質分解酵素と反応してアミノ酸に分解されますが、消化酵素や胃酸が少ない人がタンパク質を多く摂取すると、消化不良やアンモニア生成量が増えたり、アミノ酸吸収量の低下に繋がります。ペプチドであれば消化酵素はあまり必要ないので、体内に吸収しやすく消化不良にもなりにくくなります。

ホエイペプチドのメリットはプロテイン、EAAと比べると吸収が速いことです。プロテインと違い、消化酵素の反応が必要ないことと、受容体の結合機会も多いので、身体に吸収されやすいです。

EAAと比較しても、アミノ酸が血中に反映されて使用できるようになるまでの時間はホエイペプチドの方が早く、筋合成速度も高まりやすい傾向にあります。

また、必須アミノ酸以外のアミノ酸も摂取できます。EAAは9種類の必須アミノ酸だけですが、ホエイペプチドは9種類の必須アミノ酸と11種類の非必須アミノ酸を含むのでバランスよくアミノ酸を補充することができます。

デメリットは吸収速度が速い分、血中のアミノ酸濃度のピークがプロテインよりも早く、アナボリック作用を保つことができないので、その点ではホエイプロテインの方が緩やかにアミノ酸が血中に反映されます。また、市場が狭いので金額が高く含有量やフレーバーの選択肢が少ない傾向です。

ホエイペプチドの摂取が向いている人

1日のタンパク質摂取量が少ない人、1回のタンパク質量が少ない人は、体内で使えるタンパク質の割合を増やした方が良いため、ホエイペプチドが有効です。

また、トレーニングの時間が長い人は終盤やトレーニング後に摂取することでアミノ酸濃度が下がっている状態で迅速に補給できるので筋肥大に効果的です。

商品選択の基準としては、分子量を確認しましょう。タンパク質に比べてどれだけアミノ酸に近づいているのかアミノ酸くらい細かいのかの指標です。その数値は約400Da周辺と言われています。平均分子量は固形タンパク質が数千〜数万Da、WPCが2000〜3000Da、EAAが300Da以下となっています。

参照元:【史上最高のタンパク質⁉︎】トップビルダーが愛する”ホエイペプチド”を完全解説。

プロテインを飲むと腎臓に負担がかかる?

「プロテインを飲むと腎臓の検査の数値が異常になったので飲むのを辞めた」といった経験をしたことのある人は多いのではないでしょうか?

血液検査で、この数値が上がったら、この部分の癌を疑うといった、それぞれの内臓に対して病気を疑いがあるかどうかの指標となるマーカーと呼ばれるものがあります。そのマーカーの1つに「BUN」と呼ばれる尿素窒素があり、BUNは腎臓病のマーカーとして非常に有名です。マーカーは何か異常が起こると上がるのは間違いありませんが、その数値が高いからと言って、必ずしも病気というわけではありません。

例えば、BUNの数値が上がる一番大きな理由は‘’高タンパク質食‘’です。全く病気でない人が高タンパク質食をする、体重を増量させる時に筋トレをやっている人が体重(kg)の2倍くらいのタンパク質を摂ると間違いなくBUNは上昇します。

そして、タンパク質の量を減らすとBUNは低下して正常値になります。これは腎臓病でなくても必ず変動します。タンパク質は三大栄養素の中で唯一蓄積ができません。なので1回摂取したものは尿素窒素として体外に尿で排出されます。腎臓の機能が弱まってくると尿素窒素の排泄ができないのでBUNの値が高くなります。異常な状態だけでなく、もともとの原料の供給が多くなってもマーカーの数値は上がります。

例えば、糖尿病でない人でも糖をたくさん食べれば血糖値は上がります。これは当たり前のことで、BUNも同様にタンパク質を摂れば血中のBUNは高くなります。なので、BUNが高くてもタンパク質を体重(kg)の3倍摂取したということであれば正常と言えます。

一般的な認識では「BUNが上がる=腎臓が悪い」と考えています。プロテインを毎日20g飲み続け1ヶ月後に血中のBUNを測ると数値は高く、一切飲まなくなれば絶対に数値は戻ります。タンパク質の摂取量が増えれば増えるほど腎臓の排出量は増えるのでBUNも増えます。しかし、腎不全の人は排出が少なくなり、排泄することができないのでタンパク質は制限する必要があります。

基本的にタンパク質の摂取により肝臓や腎臓に負担はかかりますが、健康に害があるかないかでいうと全くありません。ランニングやスポーツは心臓に負担がかかります、なのでランニングやスポーツは身体に悪い行為です!とはならないのと同じです。

身体に良いと言われているのに検査数値が上がってしまうと辞めたくなる気持ちはわかりますが、健康に問題のない方であれば、早い段階でのタンパク質の摂取をオススメします。

正しいプロテインの飲み方

まず、自分にとって必要な量を把握しているのか、自分が日々どのくらい摂取しているのか摂取量を知ることが大切です。

ただプロテインを飲めば良いわけでもなく、プロテインを飲んでも1日の摂取量が足りなかったり、逆にプロテインを飲むことで摂りすぎてしまう場合もあります。一般的には足りていない人の方が多いと思います。プロテインのメリットとしては摂る量・回数を分割できることです。朝食でタンパク質を摂って次の食事が14時頃になってしまう場合は、11時頃にプロテインでタンパク質の補給ができ、それにより血中のアミノ酸濃度が高まり筋合成優位に働きやすくなります。1日の摂取量が決まっていたとしても、なるべく分割して摂るようにしましょう。

プロテインといえばトレーニング後だけ飲めば良いと思われがちですが、筋肉は常に合成と分解を繰り返しているので、基本的に合成を優位にしておくには充分なタンパク質の補給が必要です。トレーニングしない日でもプロテインを活用してタンパク質量を確保しましょう。

タンパク質を筋肉に吸収させるためにインスリンというホルモンが必要になってきます。インスリンを分泌させるためには、血糖値を上げる必要があるのでプロテインだけでなく炭水化物も一緒に摂るようにしましょう。バナナ等のフルーツや和菓子がプロテインとの相性はいいです。

参照元:【筋トレ必見】正しいプロテインの飲み方をプロが解説します!

プロテインは筋肉をつける目的だけでなく、健康的な生活を送るのに欠かせない栄養素です。適切な量、タイミングを理解しそれぞれの目的に合わせて摂取することが大切です。また簡単に活用できる優れものだと思います。最近は味の種類も豊富ですし飽きることがなく続けやすいと感じています。

何事もそうですが、「プロテイン」という本質を理解し正しい選択をしましょう。何がいいか決められない人は周りのマッチョに聞いてみましょう。喜んでたくさん教えてくれると思います。

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パーソナルトレーナー横關裕二
国士舘大学体育学部卒業後、消防官として勤務する傍らボディビル競技を始める。トレーニングによる自身の成功体験からより多くの人へトレーニングの成功体験を伝えるためパーソナルトレーナーへ転身。
得意分野はボディメイク、ダイエット指導

ボディビル競技での入賞実績多数▼
2023年関東クラシックフィジーク選手権
オーバーオール優勝
2023年日本クラシックフィジーク選手権
175cm以下級 準優勝
クライアント様も入賞実績多数有り。

現役の競技者の為、常にアップデートされた自身の経験を活かした指導で最短での目標達成へのサポートをしている。
ライトなダイエットからコンテスト競技者まで年代は20代から60代まで幅広く対応。
ボディビル競技での日本代表として国際大会への出場を目指し日々トレーニングに励んでいる。
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