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肩甲骨をうまく動かして姿勢を変える!|筋トレ インナーマッスル 棘上筋 棘下筋 小円筋 肩が痛い グリップ 

肩甲骨をうまく動かして姿勢を変える!|筋トレ インナーマッスル 棘上筋 棘下筋 小円筋 肩が痛い グリップ 

背中の筋肉は上半身で最も大きく複数の筋肉が存在しています。そんな背中の複数の筋肉と関係の深い骨が「肩甲骨」です。

肩甲骨を理解してしっかりと使えるようになると筋肉の発達はもちろん、姿勢の維持に役立ち、日常生活をとても楽に過ごすことができるでしょう。

肩甲骨をしっかり使い、背中の筋肉が付くことで基礎代謝も上がり、太りにくく痩せやすい身体を手に入れることができます。今回は肩甲骨を中心に説明していきます。

肩のインナーマッスル(腱板筋)の鍛え方

トレーニング中の動作や日常生活での肩の不調、野球やバレーボールなどオーバーヘッド動作で肩の痛みが出る方は参考にしてほしいです。

肩に痛みが出るというのは原因として「インピンジメント」が考えられます。

インピンジメントとは、肩を動かす度に、肩甲骨と上腕骨頭が衝突して痛みを発生させています。インピンジメントとは、「挟み込み」という意味でもあり、肩を動かし、ぶつかる際に、筋、腱、滑液胞といったクッションのようなものを挟むことで痛みが生じています。インピンジメントを発症する原因として、インナーマッスルが弱いことが考えられます。

これから、インナーマッスルのなかでも3つの肩関節の外旋(外に捻る)の作用を持った「棘上筋」「棘下筋」「小円筋」についてトレーニングを紹介していきます。

棘上筋のトレーニング

棘上筋の起始部は肩甲骨の棘上窩から上腕骨頭の大結節まで付着しています。棘上筋の作用は腕を真っ直ぐにあげる屈曲、横にあげる外転、腕を外に捻る外旋、腕を内に捻る内旋になります。

インピンジメントを起こさないように、肩の関節部分にある上腕骨頭を関節に引き寄せる役割を担います。もしこの引き寄せがないと、肩だけ動いて肩甲骨にゴツゴツぶつかる形になるので、これを関節に引き寄せることで上手く滑らかに動くようになります。

また、三角筋だけが働くことでインピンジメントを起こすことがあります。三角筋と棘上筋が上手く共同で働くことで、スムーズな動きが再現することができ、この動きを「フォースカップル作用」といいます。

これは1つの運動(肩を挙げるな)に対して、2つ以上の筋肉が共同で働くことを指します。これが上手く働かないとアウターとインナーのバランスが悪くなり、インピンジメントの原因にもなります。

棘上筋のトレーニングを2種類紹介します。まずは前方部から。

作用は、腕をまっすぐにあげる屈曲と横にあげる外転、腕を内に捻る内旋があります。右を鍛える場合、左の鎖骨の少し下に手を当て、右脇を少し開き、その状態で肘を上にあげます。ひじをあげる角度は45度程度で、肘を外に開きながらあげましょう。

負荷が弱い場合は、右手を左手で軽く押さえましょう。抵抗をかけて片側20回程度行います。90度まであげない、肩関節を拳上させないように注意しましょう。

次に、後方部を鍛えていきます。作用は、前方部と同じ屈曲、外転、腕を外に捻る外旋となります。後方部はループ状のバンドを使いましょう。手首にバンドを巻き親指を少し外に向けます。腕を下におろして、軽く抵抗を感じるくらいに手幅を広げ、そのまま45度くらいの角度まで上にあげていきます。

肩甲骨を拳上させずに、バンドは手首にかけるように注意してください。20回2セット行いましょう。

棘下筋のトレーニング

棘下筋の起始部は肩甲骨の棘下窩から上腕骨の大結節の中部に付着しています。少し大結節の上部にも被っていて、棘上筋とも連結しているような形にもなります。作用としては肩を捻る外旋になります。

上方、下方とわけることができて、上方線維は腕を前に出した状態から水平伸展に強く関与します。下方線維は肩90度外転での外旋に関わります。

棘下筋の最も重要なポイントが、ゼロポジションという腕を上にあげた位置、肩甲棘と上腕のラインが一致する位置でこの位置で、棘下筋が肩の安定に大きく関わります。このゼロポジションの動きは野球の投球動作であったり、バレーボールのスパイク動作ではこの位置がとても重要だと感覚的にわかると思います。

トレーニーに多くみられるのは、上方線維が硬いと、肩水平内転の可動域が狭かったり、下方線維が硬い、弱いとショルダープレス動作で安定せず音が鳴ったりします。

上部線維のトレーニングは、ループ状のバンドを使用します。両手を前に出し、手首にバンドを巻き、真っ直ぐ肩を後ろに引きます。この時、親指を少し外側に向け、肩を外旋させながら水平伸展の動きを同時に行っていきましょう。多少、三角筋後部に刺激が入っても大丈夫です。20回2セット行いましょう。

次に、下方線維を鍛えます。下方線維は肩外転(肘屈曲)90度から、外旋動作の動きになるので、同じくループ状のバンドを使用し、胸の前で握り少しテンションを加えてから90度まで外旋していきます。これも20回2セット行いましょう。

肘は動かさずに肩の外旋のみで動かすように意識してください。

小円筋のトレーニング

小円筋の起始部は肩甲骨外縁から上腕骨大結節の下部に付着します。小円筋の作用は2つ。

肩関節90度屈曲位での外旋、腕を色々な方向にあげていく動作での骨頭の安定化です。

まずはストレッチから。ストレッチする腕を腰の横に手を当て、反対の手で肘を掴み、肘を身体の前の方に引っ張りましょう。肩の後ろが伸びている感じを20秒ほど行います。

小円筋のトレーニングは、こちらもループ状のバンドを使用し、チューブにテンションをかけて肩、肘屈曲90度にし、そのまま外旋します。肘を動かさずに肩の動きだけで動かすように注意してください。片側20回2セット行います。

おまけ

軽いプレートを手のひらにのせて、ゼロポジションの位置で軽く動かしてあげます。これだけでもインナーマッスルを働かせて肩の協調性を上げることができます。

参照元:【肩の痛み】柔道整復師が教えるインナーマッスルの鍛え方【野球肩】

肩甲骨の動きと筋肉

背中のトレーニングが苦手な人は肩甲骨の動かし方が良くわからなかったり、動いている感覚をなかなか掴めないという悩みをもっている人が多いと思います。そんな人はグリップ(握り方)を変えるだけで肩甲骨の動かしやすさが大きく変わることがあるので、肩甲骨の動きを知り、グリップなどを試してみましょう。

肩甲骨の動き

肩甲骨は主に6種類の運動があります。

  • 拳上:肩甲骨が上にあがる(肩をすくめる)
  • 下制:肩甲骨が下にさがる
  • 内転:肩甲骨を内に寄せる
  • 外転:肩甲骨が外に開く
  • 上方回旋:肩甲骨が斜め上に動く
  • 下方回旋:肩甲骨が斜め下に動く

この6つの動きの中で背中のトレーニングで特に意識してほしいのが、「拳上」「内転」「下制」の3つになり、とても重要な動きなのでこれは絶対覚えましょう。

肩甲骨の動きがわかったら肩甲骨に関わる筋肉を見ていきましょう。背中の筋肉は僧帽筋と広背筋の大きく2つに分けられます。僧帽筋は背骨に対してダイヤモンドのような形をしており、広背筋は腕から腰に向かって付いていたり、肩甲骨の下を通って付いている筋肉です。この2つの大きな筋肉をどちらを優先的に使うのかというのは、肩甲骨の動きで変わります。

僧帽筋は上部、中部、下部と3つに分けられます。上部は肩甲骨の拳上に働き、中部は肩甲骨の内転、下部は下制に働きます。

広背筋は背骨に向かう筋線維と腰に向かう筋線維に分かれます。肩甲骨の動きにも関わりますが、肩関節の運動にも非常に深く関わってきます。

肩甲骨でいえば肩を寄せる運動(肩甲骨内転)、肩を下に下げる運動(下制)に関わり、肩関節の内転(開いた腕を閉じる運動)、肩関節の伸展(腕を前から後ろに引く運動)、全体の動きとしては胸を張るという動きに関わります。

肩甲骨を動かしやすくするグリップ

肩甲骨を動かしやすくするグリップを3つ紹介していきます。

  • 順手:手のひらが下向き
  • パラレル:親指が上向き
  • 逆手:手のひらが上向き

このグリップによりどのようにして肩甲骨の動きが良くなるには「運動連鎖」が関わってきます。運動連鎖とは、身体が連動して動かしやすくなる方法とイメージしましょう。

順手

順手は肩甲骨の内転、肩甲骨を寄せるという運動がやりやすくなります。

脇が90度くらい開いた動き方になります。肩甲骨の内転がやりやすくなるというので、僧帽筋の中部が鍛えやすくなりますし、肩甲骨を寄せるのが難しいと感じる人は順手のグリップを使用してロウイング動作を行うと肩甲骨が寄せやすくなるので、オススメです。

注意点としては、肩甲骨を寄せやすいという一方で、肩がすくみやすくなります。肩がすくむと肩甲骨を寄せる内転動作が出にくくなるので、肩がすくまないようにしっかりと寄せる意識を第一に持ってください。肩がすくみやすいと感じる人は、少し肩を下に落としながら内転すると、すくみにくくなります。

パラレル

パラレルグリップは、脇の開き角度が45度くらいが動きやすいです。肩甲骨の動きは、寄せる動き、内転と下にさげる動き、下制がやりやすくなります。なので、僧帽筋中部と下部をしっかりと腹貸せることができます。もちろん広背筋も少し関与します。

注意点としては、上腕二頭筋の力も使うことになるので、背中のトレーニングが苦手な人は腕が先につかれてしまう場合が多いです。しっかり胸を張り、肘を後ろに押し込むようなイメージで行うようにしましょう。

握り方に関しては、指先で握ってしまうと腕の力が入りやすくなるので、手のひらでひっかけて握るようなイメージで握ると背中の感覚が良くなったりします。

逆手

逆手は、脇がほぼ開かずに引いてくることができます。この運動としては、肩甲骨の内転、下制、そして肩関節の伸展がメインとなります。この動きは広背筋の動きがメインになるので、広背筋を鍛えたい場合は逆手で行うことをおすすめします。

注意点は、パラレルグリップよりも腕の力を使ってしまいます。なので、先ほど説明した握りも重要ですし、常に胸を張り続けることも意識しましょう。

肩関節の伸展動作は結構難易度が高いので、何も持たずに練習するところから始めてみましょう。腕を前に出し、少し胸を張り、肩甲骨を下制させてから肩を後ろに引きましょう。引いてくると脇の下辺りに筋肉が縮こまるような感じがあれば、広背筋の運動として正解なので、この感覚を大切にし肘を曲げてロウイング動作をしてみましょう。

参照元:【背中の筋トレが苦手な方向け】肩甲骨をうまく動かす3つのコツ

肩甲骨をうまく動かすために必要な肩のインナーマッスルのトレーニングと肩甲骨の動き、グリップによる働きの違いを説明してきました。

背中は筋肉が多くあり、かつ複雑なので理解せずにただ動かしていても、間違った筋肉の付き方をする場合がとても多いと感じます。いきなり重さを持つよりも、肩甲骨の動きを意識してゆっくり動かすだけでも、経験のない人にとってはよいトレーニングになりますね。動きをイメージするために、目を閉じた状態で肩甲骨を動かしたりすると集中して動きがわかりやすいかもしれません。

イメージができても肩甲骨のそもそも肩甲骨が動かないというのであれば、肩周りのストレッチやモビリティエクササイズなどを取り入れて、肩甲骨が動かせる状態にしてからトレーニングをするようにしてください。

肩のインナーマッスルを鍛えるだけでも、日常生活での肩の不調は改善されると思います。昔、肩を痛めてしまったという人も同様にインナーマッスルを継続的に鍛えていけば不調から解放されて、よりよい日常生活を送ることができるのではないでしょうか。

グリップに関しても、上級者向けかと思われがちですが、そんなことは無く、運動初心者、トレーニング初心者にこそ意識してほしい部分だと思います。握りを変えるだけで背中に効かせることができるのであれば、凄いことだと思いませんか?

一度つかんだ「背中が痛い」くらいの感覚を思い出しながら、再現できるよう継続的に練習していけば、あなたの背中は変わり、姿勢が変わり、日常生活での苦痛が少なくなりより良い日常生活が送れるはずです。そんな人をこれからも増やしていきたいと思っています。

ABOUT THE AUTHOR

パーソナルトレーナー横關裕二
国士舘大学体育学部卒業後、消防官として勤務する傍らボディビル競技を始める。トレーニングによる自身の成功体験からより多くの人へトレーニングの成功体験を伝えるためパーソナルトレーナーへ転身。
得意分野はボディメイク、ダイエット指導

ボディビル競技での入賞実績多数▼
2023年関東クラシックフィジーク選手権
オーバーオール優勝
2023年日本クラシックフィジーク選手権
175cm以下級 準優勝
クライアント様も入賞実績多数有り。

現役の競技者の為、常にアップデートされた自身の経験を活かした指導で最短での目標達成へのサポートをしている。
ライトなダイエットからコンテスト競技者まで年代は20代から60代まで幅広く対応。
ボディビル競技での日本代表として国際大会への出場を目指し日々トレーニングに励んでいる。
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