日本記録、世界記録を更新した際に使用されていたことで話題の厚底シューズ。
世界陸連でも禁止するかどうかが議論され、マラソンやランニングをする方たちの間でも話題となっています。
では実際、厚底シューズにはどんなメリットがあるのかを見ていきましょう。
厚底シューズのメリット&デメリット
厚底シューズはかかと部分に厚みがあり、つま先にかけて薄くなるという構造をしています。
この厚みのある構造は、選手の健康面で大きなメリットがあります。
厚底シューズは通常のシューズより厚みがあるため、足裏への衝撃が抑えられる特徴があります。
これにより、足裏で起こる鉄分破壊を軽減し貧血を抑えると言われているのです。
厚底シューズを使用することで、選手生命を延ばすことができるとも言われています。
また、厚底シューズのクッション性は脚への負担を軽減し、疲れにくくしてくれます。
ソールの厚さの分脚が長くなるため、ストライドが伸びるメリットもあります。
パフォーマンス面でのメリットは、トップスピードから失速しにくい点にあります。
ソールに仕込まれている炭素繊維のプレートが踏み込んだ際に元に戻ろうと反発し、この力が推進力となりスピードを維持しながら走ることができるのです。
逆にデメリットは、ソールが厚いためバランスを崩しやすく、ランニング初心者だと怪我を誘発しやすいことも挙げられます。
ソールが厚くなる分、重くなることも厚底シューズのデメリットと言えるでしょう。
また、世界陸連がシューズの規制を改めて設定し、トラック種目の400mはソール20mmまで、800m以上とクロスカントリーはソール25mmまでと変更されました。
マラソンはソール40mmまでと変更はありませんでしたが、厚底シューズに関する規制は今後も変更がある場合もあるので、注意が必要かもしれません。
※市民マラソン大会などでは、一般的に規制はありません。
厚底シューズでの走り方
厚底シューズでメリットを得やすいと言われているのが「フォアフット走法」
これは前足部から着地をする走法で、エネルギー消費が小さく効率の良い走りと言われています。
しかし、日本人ランナーで主流なのは踵から着地をする「ヒールストライク走法」です。
厚底シューズがヒールストライク走法にまで適しているかどうかはまだわかっていません。
自分のランニングフォームと相談し、デメリットも理解した上で厚底シューズを取り入れ、より良いパフォーマンスを目指してくださいね。
動画引用元:ズームフライなど厚底シューズの走り方とメリット
【参考リンク】
厚底ランニングシューズにはデメリットも!効能効果と初心者おすすめシューズ
「走り方を変える発想の靴」…ナイキ厚底のメカニズム
フォアフット走法、ヒールストライク走法、ミッドフット走法を分析。ランニングコーチ・園原健弘が導く「日本人にフィットしたランニングフォーム」