日本人で初めて10秒の壁を破った桐生祥秀選手。その前年にはリオデジャネイロオリンピック4 × 100mリレーで銀メダルを獲得するという快挙を成し遂げています。
桐生選手が陸上競技を始めたのは中学生の頃ですが、中学3年生の全日本中学選手権で200m2位、高校3年生で100m 10.01という記録をたたき出すなど、陸上競技を始めた頃から輝かしい成績を収め続けている桐生選手。
そんな桐生選手がご自身の経験も踏まえスターティングブロックについて解説をしている動画を紹介します。色々試してきたからこそ言葉に重みを感じます。是非参考にしてください。
肩の位置でスタートが変わる
スターティングブロックに足をかけ、手をセットした状態からそのままお尻を上に上げると、手よりもほんの少し肩の位置が後ろになり、腰がひけるような形になります。この状態からスタートすると、一度身体全体を前へ移動させてから足を出すという流れになるため、身体全体を前へ移動する分の時間がロスになります。
そのため、手よりもほんの少し肩の位置が前になるようにし、スタートの合図が鳴った瞬間に出られる形に変えたそうです。そのおかげでスタートが安定したと話しています。
自分に合う使い方
スターティングブロックの置く位置は人それぞれ異なります。身長によっても変わりますし、同じ身長でも筋力の有無で変わります。特に中高生は成長が著しく身体も1年あればかなり変わりますので、ある程度の期間がたてばブロックの位置が変わってもおかしくありません。常に自分に合ったブロックの位置を探していくこと、そのための感覚が重要になります。
スタート時に、腕の力と腕にかかる重さとがミスマッチを起こし、腕がプルプルしてしまう人がいますが、腕に意識があるとスタートが遅れてしまうためこれは改善が必要です。スタートの瞬間はお尻や太腿などの大きな筋肉で爆発的な力を発揮したいので、腕に意識が集中しないよう、お尻の位置を後ろにひいたり前に出したりして、ベストなお尻の位置を確認しながらスタートの練習を行いましょう。
スタートの練習方法
お尻を上げた時にしっかりとお尻と体幹に力が入っていてブロックを押せる状態になっているかを確認するための練習方法です。
【やり方】
1.お尻を上げた状態を作る
2.もう1人の人が後ろから腰を持ち後ろへ少し引く
3.この状態で最も力が入りやすくスタートがきりやすいポジションかを探る
4.そのままスタートする
後ろに少し負荷をかけることによって、自分自身もパワーポジションを確認できますし、感覚が良い人だと後ろで負荷をかけている側の人も、相手にとってどのポジションが良いかが分かると思いますので、他者目線からもアドバイスしやすい練習方法ですね。
また、背中が丸まっているとお尻に力が入りづらく良いスタートがきれません。上記の練習をする際、全体的な体勢もチェックしながら行いましょう。
スターティングブロックの位置を変えると、始めは違和感が必ず伴います。違和感があるからすぐ止めるのではなく、数週間試してみてから判断していきましょう。シーズン中だと試合に合わせることが難しくなるため、冬季練習で取り入れてみると良いですね。
是非試してみてください。それでは動画をご覧ください。