短距離選手にとって冬季はあまり好きではない方が多いのではないでしょうか?そう、それは鍛錬の時期とも言われる程のきついきつい冬季練習が待っているから。
しかし、この冬季練習が翌年の結果を決めていると言っても過言ではないくらい、1年の中で本当に大切な時期。冬季にどれだけ意味のあるトレーニングを積めるかで翌シーズンが大きく変わります。
シーズン中だけ頑張っても成績は伸びません。良い結果を出すために、冬季練習でしっかりトレーニングを積んで、底上げしていきましょう!
ただし、我武者羅に頑張っても遠回りになります。特に学生は3〜4年とその学校で陸上ができる時間が限られていますので、より効率よくトレーニングを行うために、本稿では冬季練習の内容について概要をお伝えします。
冬季練習に入る前に翌シーズンの目標設定を
冬季練習を組み立てる前にまずはシーズンが終わったら翌シーズンは具体的にどうなりたいか、目標設定をこの時期にしておくことが非常に大切です。目標があったうえで、そのために何が必要かを洗い出し、冬季練習に組み込んでいきます。
目標設定を行う際、当然ですがシーズンの振り返りもしっかり行いましょう。冬季練習は進化するために行うもの。進化するために、今シーズンは何がよくて何が悪かったかをちゃんと認識しておく必要があります。
冬季練習の流れ
11~12月は鍛錬期 フォーム重視
この時期は基礎体力の強化を行います。内容としては走り込みやウエイトトレーニングがメイン。
ただし、ただただボリュームを増やせばよいというわけではなく、何に繋がるのか、何のために行っているのかという意識は常に持つように心がけましょう。そのためにもやはり事前の目標設定が大事になってくるわけですね。
また、走り込みで追い込んでいくとどうしてもフォームが崩れがちですが、この時期は追い込みながらもフォームを意識します。
後述しますが、この後はさらに追い込んだ練習を行う時期があり、その後はもうシーズンへの移行期になります。11〜12月に正確なフォームを作っておかないと、そのままシーズンに突入しかねないので、この時期はフォーム重視です。
1~2月は追い込み期
11〜12月の鍛錬期で作り上げたものを、この時期はさらに追い込みます。内容としては、耐乳酸トレーニングや解糖系トレーニングを行う時期。限界値を上げていくようなイメージです。
2~3月は大会に向けての移行期
練習内容を量から質へと移行させ、冬季仕様からシーズン仕様に体を変えていきます。
まだシーズンではないので、完全に練習の量を落とすわけではなく、ある程度の量は行いながら、スピード練習などで刺激を入れていくというイメージです。
また、この時期に大会に向けてのイメージをしっかりと作り上げていきましょう。
この冬季の間に確実にレベルアップできるよう、きつい時期ですが翌シーズンに良い結果を出している自分を想像しながら、しっかりと練習を積んでいきましょう!