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第100回箱根駅伝 総合優勝 青山学院大学の強さ ハイペースで入れるメンタルの強さ 箱根に照準を合わせた調整|勝因

第100回箱根駅伝 総合優勝 青山学院大学の強さ ハイペースで入れるメンタルの強さ 箱根に照準を合わせた調整|勝因

記念すべき第100回大会となった箱根駅伝。昨年度、大学駅伝三冠を成し遂げた駒澤大学が今年も出雲駅伝、全日本大学駅伝を獲っており、史上初の三冠二連覇が期待されていました。駒澤大学が勝つと予想する声が多い中、見事大会新記録で総合優勝を成し遂げたのは青山学院大学!しかも、2位の駒澤大学と約6分半の大差をつける圧倒的勝利!やはり駅伝は何が起こるか分かりませんね。

それでは、青山学院大学の勝因を探っていきましょう!

全員が区間新記録ペースで入れる鬼メンタル!

青山学院大学の強さは、どの区間も区間新記録ペース、つまりかなりのハイペースで入っているところ!

トップを走っているチームで最も恐ろしいことは急激にペースダウンをしてしまうことです。一気に後続との差をつめられると、順位は意外と簡単に入れ替わってしまうもの。どの区間も約20kmの距離がある中、はじめの5km10kmをハイペースでつっこむということは、後半15km以降、下手をすると大失速を招くリスクがあります。そのため、はじめからつっこんで入ることは相当の勇気が必要です。

しかし、青山学院大学の選手は全員がそれをできてしまうという鬼メンタルを持っています!箱根駅伝にどれだけかけてきたのか、どれだけ練習を積んできたかが伺えますね。

差が縮まらないキツさ

駒澤大学は青山学院大学に追いつかないといけないため、はじめからつっこんで入る必要が出てきます。しかし、青山学院大学の選手も同じようにハイペースで走り始めることで、はじめからつっこんで入っているのに差が縮まらないという、駒澤大学からすると精神的にかなりキツイ状況を作ることになります。

前を走る選手が見える、若しくは前との差が縮まっているという情報が耳に入ると自然と体がより動いていくもの。しかし、それとは逆で、ものすごく頑張っているのに差がひらいていると聞かされたらどうでしょう?諦めていなくても、不思議と体の動きが良くならないなんてことがあります。

しかし、そんな中でも駒澤大学の選手は崩れることなく、区間4位5位をキープしており、非常に安定していました。前評判通り、駒澤大学は強かった!しかし、青山学院大学がそれ以上に強すぎたという結果でしょう。

三冠を狙う駒澤大学に対し箱根に照準を合わせた青山学院大学

青山学院大学は箱根駅伝の総合優勝が目標。そこから逆算して、全日本大学駅伝、出雲駅伝も獲れればというスタンスだったと推測されます。それに対し、駒澤大学は二年連続の三冠がかかっていたため、出雲駅伝から獲りにいきました。その違いが今回の勝敗を分けたのではないでしょうか。

実は、出雲駅伝に向けての調整は非常に難しいんです。夏場、選手たちはかなりの距離を走り込みます。その後すぐの出雲駅伝。しかも区間の距離が短い。つまり、これまで「距離」を積む練習だったところから急に「スピード」「キレ」が求められます。この調整がかなり難しいんです。

そこに合わせてきた駒澤大学と、はじめから箱根駅伝に合わせていた青山学院大学。仕上げ方がかなり変わってくるため、この辺りが今回の結果に大きく影響したことは間違いありません。こういった点からも三冠の難しさを感じます。

来年も青山学院大学がくるのか、駒澤大学がリベンジするのか、はたまた他の大学が名乗りを上げるのか、今から各大学の動きに注目です!

参照元:青山学院大学が箱根を制す!! 往路&復路を制し、大会新記録で総合優勝!!【第100回箱根駅伝/箱根駅伝2024】

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パーソナルトレーナー井上美紀
筑波大学 体育専門学群卒業後、約12年間のサラリーマン生活を経てパーソナルトレーナーに転身。一人ひとりその日の調子を見て「トレーニング」「ストレッチ」「整体」を組み合わせた施術で、その人が持っている力を最大限に引き出すサポートをしている。年代は未就学児から70代までと幅広く対応。肩凝り・腰痛・不定愁訴などの対応をメインとしながら、頚髄損傷を含む身体障がい者へのトレーニング・ケア、パラアスリートのサポートも行っている。
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