
2026年7月15日、アトランタ・スタジアムで行われたサッカー国際大会準決勝は、アルゼンチンがイングランドを2-1で撃破しました。55分に先制を許しながら、85分と後半アディショナルタイムに連続得点。リオネル・メッシが2アシストを記録し、王者を2大会連続の決勝の舞台へと導きました。
前半は両チームがイエローカードスレスレの激しい身体をぶつけ合いを展開し、得点のないまま終了。後半に入り、イングランドは55分、デクラン・ライスからモーガン・ロジャーズへ展開し、最後は左から走り込んだアンソニー・ゴードンが巧みなチップキックで先制しました。しかし85分、メッシの突破からエンソ・フェルナンデスが豪快なミドルシュート。さらに90+2分、再びメッシのクロスをラウタロ・マルティネスが頭で決め、アルゼンチンが2-1で逆転勝利しました。
1次リーグからの勝ち上がり
アルゼンチンの勝ち上がり
グループJではアルジェリアに3-0、オーストリアに2-0、ヨルダンに3-1で全勝で首位通過。中でもメッシは、アルジェリア戦でハットトリック、オーストリア戦で2得点、ヨルダン戦でも途中出場から直接フリーキックを決めるなど、怒涛の活躍ぶりを披露しました。決勝トーナメントではROUND 32でカーボベルデに3-2、ROUND 16でエジプトに3-2、準々決勝でスイスに3-1と、接戦を勝ち切る勝負強さを示して準決勝へと進んできました。
イングランドの勝ち上がり
グループLではクロアチアを4-2で破り、ガーナとは0-0、パナマにはベリンガムとケインの得点で2-0と勝利し、首位通過。決勝トーナメントのROUND 32でコンゴ民主共和国に2-1、ROUND 16では開催国メキシコとの打ち合いを3-2で制し、準々決勝では歴史的快進撃を続けるノルウェーに2-1で勝利。苦戦しながらも勝負どころで得点を重ね、準決勝を迎えました。
勝負を決めたシチュエーション ― メッシの美麗アシスト
決定的な違いを生んだのはメッシでした。1点リードしたイングランドがフォーメーションを5バックへと変更し、ゴードンら攻撃陣を下げて自陣に引いた終盤、空いた中盤でボールを受け続けました。85分には複数の守備者を引きつけてエンソの同点弾を演出。90+2分には右サイドから正確なクロスを送り、途中出場のラウタロによる逆転ヘッドを引き出しました。自身には得点こそありませんでしたが、まさにメッシによって演出された逆転勝利と言えるでしょう。
最大のハイライト ― 残り7分での大逆転劇
最大の見せ場は、敗退寸前だったアルゼンチンがわずか7分間で試合をひっくり返した終盤です。特に決勝点では、メッシが右サイドで守備者をかわし、ラウタロの動きに合わせた絶妙なクロスを放ったシーンは象徴的でした。静まり返るイングランド陣営と、熱狂するアルゼンチンサポーターが鮮烈な対照を描き、ここで勝負ありといった雰囲気がスタジアムを包み込みました。
特に光った両国選手ピックアップ3選
アルゼンチン
リオネル・メッシ
39歳/インテル・マイアミ/代表背番号10
細かなボールタッチと視野の広さ、密集地帯を突破するドリブル、最後の一手となるパスが最大の持ち味のサッカー界のスーパースター。この試合では前半は激しい接触とマークに苦しみ、ゴール前で持ち味を発揮する場面を制限されました。また、後半でもシュートによる得点こそありませんでしたが、終盤の2得点をともにアシスト。イングランドが守備を固めるほど、ライン間で自由にボールを受けて試合を支配しました。
エンソ・フェルナンデス
25歳/チェルシー/代表背番号24
長短のパスを使い分ける展開力と、中盤から前線へ飛び出す攻撃参加が特徴のプレイヤー。85分にはメッシが守備陣を引きつけた背後でボールを受け、ペナルティーエリア外から強烈なミドルシュートを決めました。それまでイングランドの中盤に進路を限定され、決定的な縦パスを入れられませんでしたが、終盤に生まれたわずかな空間を見逃さず、試合の流れを完全に変えました。
ラウタロ・マルティネス
28歳/インテル・ミラノ/代表背番号22
ゴール前での鋭い動き出し、空中戦、少ないタッチで得点を奪う決定力が武器のプレイヤー。81分から途中出場すると、90+2分にセンターバックの視界から外れてゴール前へ侵入。メッシのクロスをヘディングでゴールへと押し込みました。出場時間が短く、ポストプレーや前線からの守備で存在感を示す機会は限られながらも、ストライカーに求められる一度の好機を見逃さず、決勝点へと結びつけました。
イングランド
アンソニー・ゴードン
25歳/ニューカッスル・ユナイテッド/代表背番号18
爆発的な加速と背後への斜めのランニング、迷いのないフィニッシュが持ち味のプレイヤー。55分には左から中央へ入り込み、ロジャーズのパスを柔らかなチップキックで仕留めてイングランドに待望の先制点をもたらしました。アルゼンチン守備陣のマークの受け渡しを突いた見事な得点でしたが、72分に守備固めのため交代。最大のカウンター要員を失ったことで、イングランドは相手を押し返せなくなりました。
ジョーダン・ピックフォード
32歳/エヴァートン/代表背番号1
鋭い反応と1対1の強さ、正確なロングフィードを備える守護神。69分にはニコ・ゴンサレスの低いヘディングを好反応で阻止するなど、アルゼンチンの度重なる猛攻を耐え抜きました。しかし、エンソの強烈なミドルと至近距離からのラウタロのヘッドには対応しきれませんでした。守備陣が深く下がったため視界を確保しにくく、シュートコースを消し切れなかった点が痛手となりました。
エリオット・アンダーソン
23歳/ノッティンガム・フォレスト/代表背番号8
豊富な運動量と球際の強さ、ボール奪取後に前進できる推進力が魅力のプレイヤー。前半はアルゼンチンの中盤へ激しく寄せ、メッシやエンソが前を向く回数を減らすべく貢献。しかし37分に警告を受けたことで接触プレーの強度を抑えざるを得ず、終盤は相手の細かなパス交換に後手を踏みました。結果的に守備に追われる時間が長くなり、持ち味である前方へのボール運びをほとんど出せませんでした。
ファウルの押収 ― メッシのプレーや垂れ幕が物議に
前半だけで19回のファウルが記録されるほど、闘争心むき出しの展開となり、幾度もレフェリーが間に入って両軍をなだめるシーンがありました。アンダーソンとリサンドロ・マルティネスが警告を受ける荒れた展開となりました。また、メッシがボールの奪い合いの際に、イングランドDFのスペンスの首を絞め、足を踏んでいるかのように見えるプレーなど、イエローカードが出てもおかしくないシーンが、イングランドサポーターの間で物議を醸しています。また、アルゼンチンの選手が勝利後のピッチで政治的なメッセージの書かれた垂れ幕を掲げて祝ったことも、主催者側が問題視しているという報道も流れています。
アルゼンチンの次戦と注目選手
勝ち上がったアルゼンチンは決勝でスペインと対戦します。スペインは準決勝でフランスを2-0で退け、今大会わずか1失点という堅守を維持しています。そして、注目のプレイヤーは19歳のラミン・ヤマル。フランス戦では鋭い突破からPKを獲得し、先制点の起点となりました。メッシを中心に19得点を挙げるアルゼンチンと、スペインの組織的な守備との対決が最大の見どころとなるでしょう。





