本記事では、読売ジャイアンツに所属している大勢投手のピッチングの特徴である、ヒールアップ投法について解説をしています。
大勢投手は最速159キロの剛速球を武器に、2022年のルーキーイヤーから読売ジャイアンツの抑え投手として活躍。37セーブを挙げて新人王を獲得し、2023年の2023年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の日本代表にも選出されました。
大勢投手は、軸足となる右足のかかとを上げる「ヒールアップ投法」と呼ばれるピッチングフォームを取り入れています。翁田大勢投手は、この「ヒールアップ投法」によって、体重移動をスムーズに行い、ボールに力を伝えていました。それでは、詳しく見ていきましょう。
ヒールアップ投法の特徴
「ヒールアップ投法」の特徴は、投球動作の中で軸足のかかとを上げることです。大勢投手の場合は、右足のかかとを上げています。ピッチングフォームの途中、左足を上げ、軸足に体重を乗せるタイミングで右足のかかとも上げています。(動画 0:58〜)
この「ヒールアップ投法」には、どのようなメリットやデメリットがあるのかを次に解説しています。
ヒールアップ投法のメリット
投球動作の中で軸足のかかとを上げて下ろす動作を加える「ヒールアップ投法」は、体重移動をスムーズに行うことができるというメリットがあります。スムーズな体重移動によって、腕の振りが加速し、球速アップにもつながります。
大勢投手の他に、その剛速球から「怪物」と称され、読売ジャイアンツで活躍した江川卓氏も「ヒールアップ投法」を採用しています。
ヒールアップ投法のデメリット
軸足のかかとを上げる動作がピッチングフォームにくわわる「ヒールアップ投法」には、2つのデメリットがあります。
1つ目はピッチングフォームのバランスを崩しやすいという点、もう一つはスタミナを消耗しやすいという点です。「ヒールアップ投法」を取り入れたばかりのピッチャーは、上記の理由からフォームが安定せず、制球力を乱すことが多くなります。
大勢投手がシーズン中にこの2つのデメリットを感じさせない投球を行っているのは、トレーニングによって強い下半身を作り上げ、安定したピッチングフォームを習得しているためであると言えるでしょう。
この「ヒールアップ投法」を取り入れたことで、大勢投手はプロ入り後にストレートの球速を159キロまで上げています。この「ヒールアップ投法」を試してみることで、スムーズな体重移動の習得に繋がります。まずはキャッチボールで「ヒールアップ投法」を試してみてはいかがでしょうか。