2023年プロ野球、日本シリーズの第7戦が11月5日に行われ、阪神タイガースがオリックスバッファローズに7対1で勝ち、対戦成績を4勝3敗とし、1985年以来となる38年ぶり2回目の日本一に輝きました!
日本シリーズのMVP(最高殊勲選手)には阪神の近本光司選手が選ばれました。前日の第6戦ではオリックスの山本由伸投手が9イニングの力投で注目を集め、最終戦まで大いに盛り上がりを見せた今季の日本シリーズ。
第5戦で注目されたのが、近本選手のトリックプレー。はじめに、このプレーの動画をご覧ください。
プロ野球ではあまり目にすることがない、センターゴロで2塁フォースアウト。一度状況を整理しましょう!
トリックプレーが起きた状況
試合展開は、7回の表オリックスの攻撃です。
- 1アウトランナー1塁1ボール
ランナーは田嶋大樹投手、バッターは宗佑磨選手 - 2球目を宗選手がセンター方向にライナー性の打球を放つ
- センターの近本選手がワンバウンドで捕球し2塁へ送球
- 2塁でフォースアウト
この一連のプレーの中でどこにトリックプレーが隠されていたかというと、近本選手の捕球姿勢です。動画を見ると、ライナー性の打球に対して、一度ノーバウンド捕球をするような構えを見せていることが分かります。
ランナーを欺くフェイクを取り入れた捕球
ランナーであるオリックスの田嶋選手は、打球を目で追うと共に、センターの動きも見ます。この場面で、センターの近本選手がノーバウンドでキャッチするフェイクを入れたことで、ハーフの位置にいた田嶋選手は、帰塁の準備に入ります。
しかし、打球をノーバウンドで捕球できる距離ではなく、ワンバウンドになってしまう当たりだったため、2塁への進塁を阻まれてしまいました。
打球の当たりを見て状況を判断しフェイクを入れる選択を取った近本選手の判断は、とても機転が利いていて素晴らしいと言えるでしょう。
フェイクを取り入れられるケース
このフェイクは例えば、
- ・0、1アウトランナー2塁
- ・0、1アウトランナー1.2塁
- ・0、1アウトランナー2.3塁
- ・0、1アウトランナー満塁
などの状況でノーバウンド捕球が難しい打球に使えます。
外野手は選択肢の1つとして覚えておくと良いでしょう!ランナーに出た選手は、外野フライやライナーの時にフェイクがあることも頭の片隅に入れておくと、反応やリードのとり方が変わりやすいです。
また、内野手も頭に入れておく必要があり、ベースカバーやカットに入ることを忘れないよう注意しましょう!相手チームだけではなく味方のチームも気づかない場合があるので、戦術の共有が大切です!