炭水化物は体脂肪に変わる?この質問は「体脂肪に変わらない」、「体脂肪に変わる」と2極化する意見であることが多いです。他にもコンテスト前の炭水化物を大量に摂取する「カーボアップ」やダイエット中の「ハイカーボ」もしくは、夜の炭水化物の摂取は避けるべきか、といったことが気になっている方も多いと思います。これらの疑問を説明していきます。
炭水化物は体脂肪に変わるのか?
摂取した炭水化物は体脂肪に変わるのかというと、体内のグリコーゲン量により変わる場合と変わらない場合があります。まずは、炭水化物を吸収する流れを説明します。
炭水化物はブドウ糖に変換され、小腸の柔毛で吸収されます。その後血液中に糖(血糖値)として反映されます。ブドウ糖の使い道としては3つに分けられます。
①身体のエネルギー源
②グリコーゲンで筋肉・肝臓に貯蔵される
③体脂肪で貯蔵される
血液中の糖は細胞内に運ばれてグリコーゲンに合成されます。血液中に上がってきた血糖値はインスリンが作用します。インスリン反応の優先順位は筋肉>肝臓>脂肪となっているので、筋肉、肝臓でいっぱいになった場合、体脂肪として貯蔵されてしまいます。ただし、①と②で消費されていれば体脂肪には変わりません。
炭水化物が脂肪になる流れ
体脂肪への合成経路は、グルコース→グルコース6リン酸→ピルビン酸→アセチル酸CoA→マロニルCoA→脂肪酸→中性脂肪です。アセチルCoA→コレステロールに変わることもあります。
カーボアップの研究結果
3日間体内のグリコーゲンを枯渇させ、9日間大量の炭水化物を摂取する。(最大5000kcal内86%を炭水化物)結果としては、1~2日であれば中性脂肪に変化しないが、3日以降となると中性脂肪の合成比率が増加していきました。この結果から体内のグリコーゲンをしっかり枯渇させていれば、コンテスト2日前のカーボアップで中性脂肪は増えないことがわかります。これは、ダイエット中のハイカーボでも同様のことがいえます。
夜の炭水化物については、夕方にトレーニングを行った場合グリコーゲンの再合成に使われるので、過度な心配はいりません。摂取量の注意として、グリコーゲンの貯蔵量が500g(筋肉400g/肝臓100g)なのでこれ以上の量を摂取すると中性脂肪になる可能性があります。
糖の体脂肪化を防ぐ栄養素
Lカルニチン:糖からの脂肪酸の変化を最小限に抑えられる栄養素
30後半~40代以降は体内で生成される量が減少し摂取量が相対的に減少するので積極的に摂取するのがおすすめです。
炭水化物に限らず毎日の過剰な摂取は身体作りに良い影響は与えないですね。ダイエット中は炭水化物が避けられがちですが1日の摂取量を決めて摂るようにするとよい影響を与えてくれます。何事も適量を意識して身体作りに励んでいきましょう。