陸上部だけでなく、他の競技でも、練習で坂道ダッシュをしたことがあるのではないでしょうか?走る長さや本数にもよりますが、上り坂を走るのでだいたいはキツイ練習になりがち。なぜここに練習に適した坂道があるのか、坂道を恨んだ人もいるでしょう。
坂道を恨むぐらい頑張って坂道ダッシュをやってきた人にとってはつらい情報ですが、実は坂道ダッシュは足を速くするどころか、遅くしている可能性があるんです。
そもそも坂道ダッシュはなぜ練習に組み込まれているんでしょうか?その効果について考えたことはありますか?ここを確認せずに行うと、大半の方は努力が水の泡と化してしまいます。
頑張ったら頑張っただけ結果を繋げたいですよね。そのために、坂道ダッシュの効果や活用方法についてしっかり認識しておきましょう!
坂道ダッシュは水平方向の力を高めてくれる
坂道ダッシュは水平方向に進む力を強化してくれます。
物理の話になりますが、前に走るという運動は、水平方向の力と垂直方向の力、この2つの力のバランスで決まります。
短距離において跳ねる走り方というのは良い走り方で、速い選手はこの能力が高いのですが、あまりに垂直方向の力が強くなり過ぎると必要以上に上へ跳ねてしまい、上に力が抜けてしまいます。
そんな選手にとって、坂道ダッシュは非常に効果的です!
坂道では、道が上がっていく分、前に出した足を地面に下ろすまでの距離が短くなります。地面までの距離が短くなることで、地面からもらえる反発力がやや弱まります。つまり地面からもらえる垂直方向の力が弱まります。その中でも速く走るためには、水平方向の力を強めないといけません。
このように坂道ダッシュでは、無意識に水平方向の力を強化してくれるんです。
これはスタート時に体が上に浮いてしまう人にも有効です!
坂道ダッシュで効果があるのはスプリントテクニックがある人
前述したような効果を得るためには、坂道ダッシュをする際、しっかりスプリントテクニックが出来ていることが前提になります!
ここが注意して欲しいポイントです!
スプリントテクニックとは、空中で足を入れ替える走り方です。それに対し、ランニングテクニックは踵から接地して足で地面をひっかくようにして走る走り方です。少し言い方を変えると、足で地面を押すことで前に進む走り方ですね。
ランニングテクニックで坂道ダッシュをすると、平地に比べ、もっと地面を押さないと前に進まないため、接地時間がどんどん長くなっていきます。この接地時間が長いまま坂道ダッシュをし続けると、その接地時間の長さが身についてしまいます。
短距離において接地時間が長いというのはタイムを遅くさせてしまうので、こういう走り方で坂道ダッシュをしている人は今すぐ意識を変えて走りましょう!
足を速くするための坂道ダッシュは、スプリントテクニックで走る、これが非常に重要になります!
何のための練習か、練習の目的を理解して、着実に効率よく走力アップを目指しましょう!
動画内では絵を使って説明しています。動画も是非チェックしてください!