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ウエイトトレーニングはパフォーマンスを下げるのか? デカくても足が速くなるために強い体幹は必須|陸上競技 短距離 筋トレ 腹筋 全身の連動 ハリー・アイキネス

ウエイトトレーニングはパフォーマンスを下げるのか? デカくても足が速くなるために強い体幹は必須|陸上競技 短距離 筋トレ 腹筋 全身の連動 ハリー・アイキネス

陸上競技 短距離選手ならウエイトトレーニングを取り入れている人が多いと思います。それは体の土台を作るため。世界で活躍する100m走の選手はみんなムキムキですよね。

しかし、ウエイトトレーニングをやれば足が速くなるというものではありません。とある高校生は誰よりも筋トレを頑張った結果、足が遅くなってしまったそう。こういう落とし穴にはまる方は意外と多いんです。では、パフォーマンスに繋げるためにはどうすればよいのでしょうか?

今回は、体が非常に大きくかなり筋肉が発達しているけれども足が速いイギリスの短距離選手、100mのベスト記録が10秒08のハリー・アイキネス選手のトレーニングから、ウエイトトレーニングをパフォーマンスに繋げるためのヒントをもらいましょう!

ウエイトトレーニングがパフォーマンスアップに繋がらない理由

例えば、走る時に非常に重要な筋肉であるハムストリングス。この筋肉を大きくしようと思ってハムストリングスの筋トレを行ったとします。ハムストリングスに効かせようと思ってハムストリングスに集中します。そうすることでハムストリングスの意識が非常に高くなり、走る動作でも自然とハムストリングスをたくさん使おうとします。

これ、一見良いことのように思いますが、実は良いとは言いきれないんです。本来の走る動作は、ハムストリングスだけではなく、背中やお尻など、全身を使う動作です。全身がきれいに連動して速く走ることができますが、筋トレをすることによって、この全身の連動が失われる可能性があるんです。

それは、筋トレ時にハムストリングスだけにフォーカスすることで、ハムストリングス単体の筋収縮様式を体が学習してしまうから。局所的なウエイトトレーニングを重ねることで、筋肉が大きくなっても、走る速度がむしろ落ちてしまうという事態になりかねないんですね。

アイキネス選手のトレーニング

アイキネス選手は筋肉ムッキムキですが、それをしっかりパフォーマンスに繋げることができている選手です。

ウエイトトレーニングを行っている最中の意識も異なると思いますが、行っているトレーニング配分や内容も、局所のイメージだけで終わらない構成になっていると推測できますので、アイキネス選手のトレーニングを参考にみていきましょう!

プライオメトリックトレーニングが強い!

プライオメトリックトレーニングとは瞬発力を養うトレーニングです。立ち幅跳びやハードルジャンプ、ウエイトトレーニングの種目だとパワークリーンなどがそれにあたります。

短距離走はまさに瞬発力の競技。ウエイトトレーニングで重量が上がっていくと、動作スピードは当然落ちていくと思います。そのゆっくりした動作スピードでトレーニングをし続けると、瞬発力を欠いてしまう可能性があるため、プライオメトリックトレーニングも定期的に取り入れていきましょう!

体幹が強い

アイキネス選手のトレーニングで特徴的なのは、体幹トレーニングが多いこと。その中でもドラゴンフラッグやアブローラーを使ったトレーニングなど、筋肉が引き伸ばされながらも収縮する遠心性収縮のトレーニングが多いのが印象的です。

ものすごく大きな筋力を持つ四肢があっても、体幹部を崩さずに同じポジションを保つためには、四肢に振り回されない体幹の強さが必要になります。全身の連動というのは体幹部無しでは考えられません。つまり四肢が大きくなればなるほど、体幹部もより強くしていく必要があるんです。

重い重量を扱うウエイトトレーニングは、派手でやっている感も強く充実感を得やすいですが、それと同じくらい地味できつい体幹トレーニングも必要ということですね。

動画8:05以降から体幹トレーニングをしている様子が続きますが、体幹トレーニングでもどこかは動かしながらも体幹はしっかりキープする形のトレーニングが多いように見受けられます。これが走りに繋げるポイントです!

アイキネス選手の体幹トレーニング、是非取り入れてみてください!

参考元:筋トレで足が速くなる人・遅くなる人の特徴【陸上・アイキネス】

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パーソナルトレーナー井上美紀
筑波大学 体育専門学群卒業後、約12年間のサラリーマン生活を経てパーソナルトレーナーに転身。一人ひとりその日の調子を見て「トレーニング」「ストレッチ」「整体」を組み合わせた施術で、その人が持っている力を最大限に引き出すサポートをしている。年代は未就学児から70代までと幅広く対応。肩凝り・腰痛・不定愁訴などの対応をメインとしながら、頚髄損傷を含む身体障がい者へのトレーニング・ケア、パラアスリートのサポートも行っている。
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