初心者からベテランまで、マラソンや長距離の練習の中にジョグを必ず取り入れていると思います。ジョグはスピードが遅い分、どこか気を抜いて走ってしまっている初心者の方もいるかもしれませんが、ジョグの時のフォーム、これもやっぱり大切です。
ジョグのフォームだけでも初心者と上級者の見分けがつくほど、上級者のフォームは理にかなっている部分が多くあります。
フォーム改善はまずはスピードが遅いジョグのフォームからです。ジョグでのフォームがよくないのに、スピードを上げるとフォームがよくなるなんてことはありません。まずはジョグでのフォームを見直しましょう。
今回は初心者と上級者のジョグのフォームの違いについて解説します。
重心移動で走れているかいないか
フォームの最も大きな違いは重心移動を利用した走りかそうでないかです。重心移動で走れている方(上級者)は脱力ができていて、重心移動で走れていない方(初心者)は自分の筋力で走るため、常に力が入っている状態になります。この点が最も大きな違いです。
重心移動できていない方の多くは、自分の体より前に足を振り出している傾向にあります。
自分の体より前に足を着くと高い確率で前に進む力にブレーキをかけます。ブレーキをかけたということは、次の動作で加速が必要ということです。自らの筋力をたくさん使って、ブレーキと加速を繰り返しながら走っているわけです。
一方上級者は、体の重心を前に移動させ、体を前に倒すことで推進力を作っています。
これは自らの筋力を使って前に進む力を生み出しているわけではなく、体のバランスを崩して前に倒れそうになる力を利用しています。そのまま放っておくと前にコケてしまいますが、それを一歩一歩支えていくことで、どんどん前に進んでいくというイメージです。この走り方だとそこまで自分自身の筋力で頑張る必要がないので、脱力した良いフォームになります。
その場ジャンプ・ジョギング動作で感覚を掴む(動画5:50~)
では、どうすれば重心移動をうまく使えるようになるのでしょうか。
その第一歩として、その場で軽く両足ジャンプをしたり、その場でジョギング動作をしていきましょう。ジョギングのフォームはウォーキングの単なる延長ではなく、ウォーキングの延長+ジャンプ動作が入ってくるため、まずはジャンプ時の力を入れるポイントを確認します。
この動きが苦手な方は、ジャンプで体が上に上がる時に、さらに上に引き上げようと腰を反らしたり足を高く上げたりして、上への力をさらに強めようと頑張る方が多いです。
しかし、この動作で大切なことは地面に力を加えること。つまり上へのベクトルではなく、大切なのは下へのベクトルです。その場ジャンプやジョギング動作を繰り返して、上に引き上げるのではなく、スムーズに地面に力を伝える感覚を養いましょう。
その場ジャンプ・ジョギング動作から前へ倒れる(動画7:00~)
その場ジャンプ・ジョギング動作で感覚を掴んだら、そのまま重心を前に移動し、前へ進んでいく練習をします。
この時の大切なポイントは体をまっすぐに保つことです。股関節が曲がって、横から見た時に「く」の字に折れ曲がるような姿勢はNG!背筋を伸ばした状態で、そのまま前に倒れるようにしていきましょう。
動画では上級者と初心者のフォームの違いを分かりやすく比較しているシーンがあります(動画1:00~)。姿勢やトレーニング動作も含めて動画でも確認してみてください。