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話題のEMS筋トレの効果とは? メリットとデメリット EMSの活用方法

話題のEMS筋トレの効果とは? メリットとデメリット EMSの活用方法

緩んだお腹回りを引き締めて6つに綺麗に割れた腹筋を手に入れたい。芸能人や雑誌をみて、一度はそのように考えた方も多いのではないでしょうか。そして、きつい運動や食事制限もしないでナイスバディを手に入れられたらと考えて、EMSを調べた方もいると思います。

電気で筋肉を動かす装置をEMS(Electrical Muscle Stimulation)といい、微量の電流を流して筋肉を収縮させて、運動時と同じような効果を狙って使います。

EMSを聞いたことはあるけど使ったことがない方に向けてEMSのメリットデメリットについて解説していきます。

EMSの仕組みを知ろう

骨格筋を運動することによって筋肉を収縮する場合、脳の中枢からの指令によって収縮します。この信号を外部から電気として送り、筋肉に直接刺激を与える仕組みがEMSです。

運動していなくても、筋力トレーニングと同様の効果が期待できると言われ、筋肉量を増やすことで代謝を上げて、脂肪燃焼を促す効果が期待できます。

家庭用、エステ、医療用とEMSは様々な用途で使われていますが、特別な許可を必要としないため医療資格を持っていない方でも手軽に利用することができます。

一般的にEMSを使う時の周波数は、医療用が最も高く、事故を防ぐためにも家庭用が一番低い仕様になっています。

EMSって効果がない?筋トレ専門家が語る

最近目にすることが増えたEMSですが、実際効果が期待できるのでしょうか?様々な意見がありますが、ボディビルダーで自身のYouTubeチャンネル登録者70万人(2024年6月現在)を超える山本義徳さんはEMSについては、次のように述べています。

筋肥大にはあまり効果的ではない?

電気の刺激によって、自然に筋肉が収縮するEMSは、上手に使えばトレーニングをハードに行わなくても、筋肉が使われるため成長するように感じます。

ただし、ここで大事なのは筋肉はただ収縮するだけではなく、伸ばされた力に耐える(エキセントリック)負荷を与えることで、強くなっていきます。電気刺激の場合、この伸ばされることに耐える力は発揮されないため、筋肉を大きくするという点では効率がよくないと考えられます。

リハビリの用途として効果が期待できるEMS

例えば、ケガをして関節を動かすことが難しい時期に、筋肉が落ちないように刺激を与える目的ではEMSは一定の効果があると考えられます。これも筋肥大を狙ったものではなく、動かさない事による筋肉量の減少を緩やかにする目的です。

脂肪燃焼効果は見込めない?

EMSを使うことによって、部分やせのような効果が見込めるか、ということについて山本氏は懐疑的だといいます。脂肪を燃焼させるためには、血行を促し、脂肪燃焼酵素を活性化させていくことが大事です。

ただEMSで外から収縮させても、望んでいるほどの血流量の改善は見込めないのではないか?全く何もしないよりは良いかと思いますが、普通にトレーニングを行うことができる環境であれば、トレーニングする方が脂肪燃焼効果は高いと思われる、といいます。

参照元:電気刺激を与える「EMS」は筋肥大やダイエットに効果的なのか?

それでもEMSがいい理由 メリットは?

ダイエット目的で脂肪燃焼を狙いたいのであれば、実際に筋トレした方が効果が早いことはわかりました。しかし、まとまった時間を確保することが難しいのが現代人の悩みです。

EMSは、いつでもどこでも使えるのが最大の魅力です。自宅でも旅行先でも、または職場でも、やる気になればできます。トレーニングでは得られないEMSの効果もありますので、そのメリットもしっかり押さえておきましょう!

軽い刺激で見た目に変化が出やすい速筋を刺激 

筋肉には速筋繊維と遅筋繊維の2種類があります。

陸上選手を見ると理解しやすいですが、短距離の選手は速筋繊維が優位であり、身体が大きいのに対して、マラソンランナーのような長距離選手は遅筋繊維優位の体つきで細身です。

ダイエットのために、いわゆる減量体質になるには、身体のエネルギー消費量を増やすことが大切です。そのために筋肉をつけることで基礎代謝量を上げることが出来ますが、EMSでは筋肥大しやすい速筋繊維に優先的にアプローチできる、といわれています。

一般的に速筋繊維を鍛えるためには、高い負荷の重りを持つなど刺激を強くしないといけませんが、EMSトレーニングでは筋肉に直接的にアプローチするため、軽い刺激でも速筋繊維にアプローチでき、見た目の変化が出やすいとされています。

そのため、膝や股関節など関節に不安を抱える方でも安心して利用することができます。

忙しい人でも大丈夫 「ながら運動」で効率アップ

EMSは、からだに装着したまま動くことができるため、何かをしながら使うことができます。勉強しながら、家事育児をしながら、買い物しながら等、普段の生活にEMSを装着することで、消費エネルギーを上げることができます。

まずは体重を減らすためには、家計簿管理と同じで入ってくるものと出ていくものを把握することが必要です。その上で、一日のエネルギー消費量を増やすことができれば、結果的にシェイプアップした体が手に入ります。

よく運動やトレーニングでムキムキになるのはちょっと、と心配をする方もいますが、そこまで心配しなくても大丈夫です。EMSの刺激だけでマッチョな身体になることは難しく、その体を目指すのであればトレーニングも併用しないといけません。

EMSを使いながら、眠っていた筋肉を呼び起こし、基礎代謝を上げる生活習慣を作りましょう。

EMS利用の注意点

手軽に使えるようになったからこそ、医療従事者以外の方は利用方法を間違えないように注意が必要です。正しく使いながら、より効果的にEMSを使いこなしましょう。

体調が悪い時は使用を控える

寝不足や疲れが溜まっており、普段と異なる体調の時は使用を控えることをおすすめします。EMSは筋肉に刺激を与え、筋収縮を起こすことで体の疲労感を伴います。体力がある時に使用するようにしましょう。

妊婦は使用禁止 疾患がある時は医師と相談を

妊娠中に電気治療を行うことによる胎児への影響はないと言われておりますが、念の為使用しない方が良いでしょう。妊娠中は、体調や目的に応じて、別の運動を行ったり食事でカロリーを抑えるなど、赤ちゃんにとって心地よい環境を整えるようにしましょう。

また、手術後の傷跡がある箇所に利用する場合や、椎間板ヘルニアなど整形外科疾患を伴う場合は、医師と相談の上で使用することをおすすめします。EMSの場合、ベッドの上にいても使用できるため、症状があって身動きが取りづらい場合などに有効です。

肌が弱い方は注意 やけどや水ぶくれのリスク

電気パッドと皮膚が直接触れるEMSは、利用する人によって、肌荒れや発疹、かゆみや火傷となる可能性があります。使い始めで慣れない時は、周波数を低めに設定し、短めの時間から利用するようにしましょう。

使用中や使用後に不快感を感じたり、違和感を感じたら使用を中止するようにしましょう。

EMSでは出来ないこと デメリット

EMSは、電気を流すことで筋肉を収縮させますが、それゆえに苦手なこともあります。どんなことがEMSでは出来ないのか、デメリットも一緒に確認していきます。

運動能力の向上は難しい

普段スポーツを行う時には、脳の大脳皮質の運動野から指令がでて、それが脊髄を通って、と指示系統があってはじめて手足の末端が動きます。それらの神経回路が反復練習によって強化され、難しい動きを速く確実にできるようになります。

EMSでは、脳からの指示とは関係なく筋肉が動くため、器用に動くための神経回路が強化されることはありません。そのため、ボールや道具を使った競技レベルの向上や素早く動くなどの運動技術という点においては、EMSを使うことによって改善することは難しいと考えられます。

脂肪(セルライト)の分解はできない

よく勘違いされやすい点ですが、EMSを使うだけでは脂肪は分解できません。身体のエネルギー源として蓄えられた脂肪を燃やすためには、EMSと運動を併用して筋肉をつけることが先決です。

筋肉をつけることで、1日の摂取カロリーよりも基礎代謝を含めた「総エネルギー消費量」が上回る身体作りができれば、脂肪燃焼の好循環ができ、シェイプアップすることができます。

高いものでは5万円を超えるものも

せっかくやるなら効果を出したい。そう思って奮発して買おうと思っても、家庭用EMSは高いもので5万円以上するものも。何度も買える金額ではないし、家庭内でも相談が必要な金額なのではないでしょうか。

それゆえ失敗も出来ないと悩んでいる方、メーカーによっては実店舗にて無料体験をさせてくれる場所もあります。購入を検討している方は、まずは試してみてはいかがでしょうか?

目的によってEMSと運動を併用すべし

EMSのメリットやデメリットをみてきましたが、自宅で家事をしている時でもテレビをみている時でも気軽に筋肉を動かすことができます。なかなか忙しい現代において、出かけなくてもカロリーを消費できる点は大いに魅力です。

しかし、それだけではCMで見たような綺麗に割れた腹筋を作ることは難しいでしょう。健康増進を主な目的としてEMSを利用したい方が多いと思いますが、EMSを目的に応じて併用することで、より大きな効果を期待できます。

ダイエットをしたい人は「有酸素」と組み合わせる

もしシェイプアップが目的であれば、ウォーキングやランニングなどの有酸素運動を取り入れると良いでしょう。できれば長時間有酸素運動を取り入れると良いですが、まずは今までの習慣を変える目的で5分でもいいから歩いてみることを心がけましょう。

筆者の顧客にも、ウエイトトレーニング前に意識して使いたい部位のエクササイズをしてもらいます。それを行うことで、意識したい部分に刺激が入り、トレーニング効果が高まります。

例えば、EMSを朝起きて家を出るまでつけておきます。そこに刺激を入れておけば通勤時のウォーキングでもお腹周りを意識して歩きやすくなります。特にお腹回りのシェイプアップを意識したいのであれば、運動する前にEMSを使うのも良いでしょう。

このようにダイエット目的でEMSを使う場合には、運動前により意識したい箇所にEMSで刺激を入れておく方が効果的だと考えられます。

リハビリやトレーニングの補強としてEMSを使う

主に家庭用の低周波EMSでは、それだけで筋肉ムキムキになるような効果は期待できません。しかし、動かしづらい筋肉を直接刺激できることはリハビリやトレーニング補強の点で有効に働きます。

ケガで動けない時にEMS

特に高齢者の場合は病気やケガでしばらく安静状態を求められることがあります。普段運動習慣がない高齢者が、安静臥床している場合1日1〜3%、3週間〜5週間だとおよそ半分まで筋力が低下することが報告されています。

それだけ筋力が低下してしまうと、いざ立ったり歩いたりすることが困難になってしまう例もあります。なるべく安静を保ちつつ、筋力低下を最低限に保ちたい。そんなケースにもEMSは活躍します。

特に医療では「廃用性症候群」や「顔面神経麻痺」の患者に対してこのEMSを利用して筋肉を動かし、筋力低下や動作回復の目的で利用されます。

アスリートにも活用できるEMS

EMSを使って、動かしづらい部位や意識が入りづらいポイントを刺激することでトレーニング効果を上げる方法もあります。

アスリートの場合、左右差を改善するためにトレーニング前後に片方の腕や足だけEMSで刺激してみる方法や、身体の一部の筋肉を意識するために狙った筋肉だけにEMSをあてるように応用する方法もあります。

また、アスリートのケガの治療でも、一部の固まった筋肉に対して刺激を入れることに利用することが出来ます。例えば、膝のケガで固まった外側広筋を緩めるためにEMSを使う、というのもEMSだからこそできる方法です。

参照元:【腹筋バキバキ】EMSで筋肉つくのか?脂肪は減るのか?【部分痩せ】

いかがでしょうか?EMSの仕組みや使い方を理解頂けましたか?目的に応じて正しい使い方をすることで、効率を上げてくれるEMSを活用してみましょう。

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