夏の甲子園。惜しくも決勝で敗れたものの広陵高校の中村奨成選手。見事な活躍でしたね。6本塁打17打点に加え、キャッチャーとして好守も光りました。極限状態の中、冷静沈着な対応は、まさに「扇の要」。
WBCで活躍した小林誠司(巨人)からも見て取れるように、短期決戦、また一つ試合の中でも「キャッチャーが勢いに乗る」というのは、勝利を呼び込むポイントになるのだと、改めて実感しました。守る側としては、流れを奪われないためにもキャッチャーはマークする相手になりますね。
今回は、野球の基礎知識。キャッチャーとしては戸惑っていては絶対にいけない。でも少し慌ててしまう場面。
「振り逃げ」です。
バッターも慌ててます。どの場面でも、ワンバウンドの球で三振したとなれば、とにかく一塁へ走り出そうとします。それに釣られてかキャッチャーも慌ててしまいますよね。それは、小学生でもプロ野球の世界でも同じようです。
振り逃げ
■振り逃げがある場面は
・二死
・無死、一死で1塁に走者がいない
■捕手が
・第3ストライクを捕手が完全捕球できなかった(捕手が投球を捕っていない)※この場合見逃しストライクでも同様
・ワンバウンドでの捕球した場合
■アウトにするには
・キャッチャーは打者にタッチしアウトにする
・1塁にて送球し打者をアウトにする
・(二死の場合に限り)フォースアウトになる可能性があった塁上の走者には進塁義務(次の塁へ向かう義務)が発生するので、そのランナーをフォースアウトにする
知っていて当たり前のプレーだと多くの方が思うかもしれません。
ただ、それができずに、大きなミスへと繋がったケースを幾度も見てきました。振り逃げが無い場面なのに打者が三振後に1塁へ走りだす。慌てた捕手が1塁へ暴投し塁上の走者の進塁を許してしまう。あるいは、振り逃げが無いのに、打者が一塁に走ってきたので、1塁走者が慌てて2塁へ走り出してしまう・・・。
何でも良いから三振したら一塁へ走れ!という教え方もあるかもしれませが、中身を理解しないといつまでたっても慌てたミスに繋がるのでしょうね。特にキャッチャーは、しっかり頭に入れておき、都度確認するくらいの事前準備があっても良いのかと思います。
この夏、中村奨成選手に憧れて「キャッチャーをやりたい」という子供が増えるかもしれません。(増えると嬉しいですね)そのときには、通常のプレーに加え、どんな場面でも慌てない、野球をよく知っているキャッチャーを目指して欲しいですね。みんなが慌てる場面で冷静にプレーができるキャッチャー。とても格好好いと私は思います。
動画ではより詳しい振り逃げの解説と、振り逃げから生まれた大きなミスが流れます。こちらも参考にご覧ください。
動画引用元:【野球のルール】 振り逃げ いろいろ 【勉強用】