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レポート プレッシャー克服 第2話 プレッシャーとはそもそも何なのか

レポート プレッシャー克服 第2話 プレッシャーとはそもそも何なのか

スポーツをする人の多くが悩まされたことがあるであろう、プレッシャーとの付き合い方について連載しています。今回は、プレッシャーとはそもそも何なのか、という問いから考えていきます。

みなさんは、どのようなときに「プレッシャーがかかった」と感じるでしょうか。練習では上手くいっていたのに、

・本番になったとたんあがって失敗してしまったとき?
・たくさんの観客を前に緊張して、手が震え始めたとき?

人それぞれ経験は違うと思いますし、言葉の使い方も少しずつ異なっているでしょう。そこで、プレッシャーの克服法を語るにあたって、まずはプレッシャーの定義をはっきりしておきたいと思います。

まず、緊張とあがり、そしてプレッシャーは別物です。

厳密に言えば、プレッシャーは緊張、あがりをもたらす原因ということになります。プレッシャーがかかることで不安を感じているという心の状態を緊張と呼ぶのに対し、プレッシャーによってパフォーマンスが悪化する現象をあがりと呼びます。

続いて、プレッシャーとはそもそも何なのかということについてです。

試合本番や大きな大会になるほど、観衆やカメラに見られていることが気になるでしょう。それは「自分のパフォーマンスが評価されている」「だからしっかりやらなくちゃ」という意識を作り出します。この状況のことをプレッシャー、特に評価的プレッシャーと言います。

もう一つ、試合に勝つことや良い結果を出すことに報酬がある場合、たとえば勝ったら優勝が決まる試合や首位打者がかかった打席など、結果を出すことに過剰に注意が向いている状況もプレッシャーです。これは、結果プレッシャーと言います。評価的プレッシャーと結果プレッシャー。大きく分けてこの二種類のプレッシャーが、それぞれ異なるプロセスを持ってスポーツをする我々を苦しめているのです。

プレッシャーの正体がある程度明らかになったところで、次回は、プレッシャーを受けるとなぜパフォーマンスが低下してしまうのか、そのメカニズムについて紹介し、それを防ぐ方法に少しずつ迫っていきます。


参考文献:
Choking under pressure: Multiple routes to skill failure.

特性的共感性があがり喚起状況における主観的感情体験と課題遂行に及ぼす影響―観察者のフィードバックに着目して―

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