
一回戦
仙台育英(宮城) 3-1 札幌日大(南北海道)
2026年8月5日、第108回全国高校野球選手権大会が阪神甲子園球場で開幕した。開幕試合では宮城代表・仙台育英と南北海道代表・札幌日大が対戦。仙台育英が田山纏の大会第1号本塁打などで主導権を握り、札幌日大の終盤の反撃を振り切って3-1で勝利した。また、春のセンバツ大会に続き、今回の夏季大会でもDH制の導入がはじまった。
両校の地方大会での勝ち上がり
仙台育英―5試合59得点、圧倒的な攻撃力で宮城を連覇
仙台育英は宮城大会2回戦で仙台に21-0、3回戦で登米総産に22-0と、序盤から打線が爆発。準々決勝は古川学園を5―1、準決勝は東北学院榴ケ岡を7-0で退けた。決勝では伝統校・東北を4-1で破り、5試合59得点、失点わずか2という圧倒的な内容で2年連続32回目の甲子園出場を決めた。
札幌日大―接戦を勝ち切り、駒大苫小牧を破って南北海道制覇
札幌日大は2回戦で札幌北に9-2、3回戦で市函館に7-0、4回戦で札幌新川に9-1と着実に勝ち上がった。準々決勝では川合黎が2本塁打を放ち、北海学園札幌に9-1で七回コールド勝ち。準決勝は北海道栄との接戦を6-4で制し、決勝では駒大苫小牧の反撃を5-3で振り切って、2年ぶり2回目の代表切符をつかんだ。
試合の経過と得点
試合は仙台育英が3回裏、二死二塁から斎藤駿多の中前適時打で先制。4回裏には4番・田山纏が右翼席中段へ大会第1号となるソロ本塁打を放った。札幌日大は6回表、二死満塁から小森桜暉が押し出し死球を受けて1点差に迫る。しかし仙台育英は8回裏、二死二塁から高岡龍一が左前適時打を放って追加点。3-1で開幕戦を制した。
得点経過
- 3回裏・仙台育英:二死二塁から斎藤駿多が中前適時打。1-0
- 4回裏・仙台育英:一死走者なしから田山纏が右翼席へソロ本塁打。2-0
- 6回表・札幌日大:二死満塁から小森桜暉が押し出し死球。2-1
- 8回裏・仙台育英:二死二塁から高岡龍一が左前適時打。3-1
勝負を決めた選手 ― 高岡龍一(仙台育英)
勝負を決定づけたのは、仙台育英の高岡龍一だった。2-1のまま迎えた8回裏二死二塁。札幌日大のエース・石川瑛二朗に追い込まれながら、1ボール2ストライクから左前へ運び、貴重な3点目をもたらした。札幌日大が9回に二、三塁まで攻めたことを考えれば、この一打が勝敗を分ける大きな1点となった。
試合最大のハイライト ― 田山纏の大会第1号本塁打
最大のハイライトは、4回裏に飛び出した田山纏の大会第1号本塁打だ。一死走者なし、カウント1-1からの球を完璧に捉え、打球は右翼席中段へ到達。開幕試合の緊張感を一振りで打ち破り、仙台育英に精神的な余裕をもたらした。田山は宮城大会でも打率6割超を記録した主砲で、その長打力を全国の舞台でも鮮烈に示した。
選手ピックアップ3選
仙台育英
田山 纏(右翼手)
3年・背番号9
左打席から強い打球を広角に飛ばせる仙台育英の4番。最大の持ち味は、甘い球を一球で仕留める長打力だ。4回には右翼席中段へ大会第1号ソロを放ち、流れを一気に引き寄せた。一方、残る3打席は凡退。札幌日大・石川が低めを丁寧に突いたことで、走者を置いた場面では持ち味を十分に発揮できなかった。
古川 諒弥(投手)
2年・背番号10
140キロを超える直球と変化球を組み合わせ、打者のタイミングを外す右腕。先発として5回3分の1を投げ、被安打2、7奪三振、1失点と試合をつくった。序盤は札幌日大打線に的を絞らせなかったが、6回に四球などで満塁のピンチを招いて降板。計4四球と制球面には課題を残したものの、先発として勝利の土台を築いた。
梶井 湊斗(投手)
3年・背番号1
力強い直球を軸に、三振でピンチを切り抜けられるエース。7回から3番手で登板し、3回を1安打無失点、5奪三振に抑えた。9回には四球などで二、三塁のピンチを背負ったが、札幌日大の中軸を打ち取って試合を締めた。4四球を与えた点は反省材料だが、最後まで得点を許さない精神力が光った。
札幌日大
石川 瑛二朗(投手)
3年・背番号1
最速146キロを記録した力強い直球と粘り強さが持ち味のエース右腕。毎回のように走者を背負いながらも8回を109球で投げ抜き、8安打3失点、与四球3と試合を壊さなかった。ただし、田山への一球が甘く入り本塁打を許し、二死から斎藤、高岡に適時打を浴びたことが敗戦に直結。要所で仙台育英打線を封じ切れなかった。
小森 桜暉(左翼手)
3年・背番号7
左打席から粘り強く投手に球数を投げさせる打撃が持ち味。5回にチーム初安打となる遊撃内野安打を放ち、6回には二死満塁で追い込まれながら死球を受け、唯一の得点を記録した。2打数1安打1打点、1四球1死球と全打席で粘ったが、後続が倒れたため、自身がつくった好機を大量点につなげられなかった。
前田 和磨(捕手)
3年・背番号2
強肩と投手を落ち着かせる配球が持ち味の正捕手。走者を背負い続けた石川をリードし、強打の仙台育英を3点に抑えて終盤まで接戦を維持した。一方、打撃では4打数無安打。9回の一死二、三塁では投手ゴロに倒れ、得点圏で一本を出せなかった。4番としての打撃を封じられたことは、札幌日大にとって大きな敗因となった。
戦評
仙台育英は8安打を放ちながら大量点には至らなかったものの、斎藤、田山、高岡がそれぞれ異なる局面で得点を生み、古川、福井、梶井の継投で札幌日大を3安打に封じた。対する札幌日大は9四球を選びながら、14三振を喫して1得点。9回には一打同点の場面まで迫ったが、中軸が仙台育英のエース梶井を攻略できず、甲子園初勝利には届かなかった。




