デッドリフトを行う際のエラーで背中が曲がってしまうことが多いです。背中が弱いから曲がってしまうと言われていますが、背中ではなく股関節を伸展する筋肉(ハムストリングス、お尻等)が弱いから背中が曲がってしまいます。なぜかというと、股関節とバーベルのモーメントアームを短くするために股関節を近づけて背中を丸める癖がついていることが原因です。この原因と対策について説明していきます。
背中が曲がる原因
まずデットリフトで背中が丸まってしまう原因は、股関節が開こうとして股関節の力に耐えきれず背中が丸まるように見えます。これは背中よりも股関節が強いからという風に見られがちですが、逆の現象が起こっていて実際は、股関節の開く力が弱いため背中を丸めて股間節とバーの距離を短くしています。
モーメントアームとは、力が物体の回転にどれだけ寄与するかを示す距離の概念のことで、モーメントアームが長いほどその関節の回転、もしくは関節を開いて閉じる多くのトルク(筋力)が必要になります。
デッドリフトを横から見ると、バーベルの垂直線上と股関節の距離です。この距離が長ければ長いほど股関節を開いてバーベルを挙げるのにより大きな力が必要になります。股関節とバーベルのモーメントアームの長さがデッドリフトにおける一番力が必要なところになります。
背中をまっすぐにしたところモーメントアームが長くなり、腰を丸めると腰がバーベルに近づきモーメントアームが短くなります。なので股間節が弱い人は背中を丸めて挙げてしまう癖がついてしまっていると言えます。背中が曲がった分は最終的に背中を伸ばすことになるので、むしろ背中の強い人の方が背中が曲がりやすいです。
背中を曲げないための改善策
背中の筋肉を強化したからといって背中の丸まりが改善されることはほとんどありません。背中がまっすぐのまま挙げられるだけの股関節の筋力があれば背中が曲がらなくて済むので、股関節の伸展に関係する「ハムストリングス」と「大臀筋」を強化することで背中を真っ直ぐのまま挙げることができます。
ハムストリングスの柔軟性やヒップヒンジの動きを習得しやすいので、「ルーマニアンデッドリフト」を行うのをおすすめします。背中を真っ直ぐにしたいから背中を鍛えるのではなく股関節をしっかりと強化することが大切です。
デッドリフトで腰が痛くなる人には必見の内容でした。背中を効率よく鍛えるためにも「ルーマニアンデッドリフト」を取り入れて背面側全体を鍛えていきましょう。