速く走るためには、体幹や股関節などの中心部分で大きな力を発揮し、それをスムーズに地面に伝えて、地面から大きな反発をもらう必要があります。
それを可能にするためには、骨盤・股関節の使い方が非常に重要です。
特に股関節は、大きく動かすことを求められる一方、接地のタイミングでは逆に安定させることも必要になります。ただいっぱい動けばいいわけでもなく、どっしり安定していればいいわけでもなく、動くことと安定させることの両方が必要になります。
どちらかというと、股関節の可動域を上げる情報の方が多い印象があるため、本稿では股関節を安定させるための方法について、3つのドリルを紹介します!
ドリル① 段差を使った足の上げ下げ
短距離走は片足ジャンプの連続です。接地時は体重の何倍もの力がのしかかるため、その力に負けて、接地のタイミングで骨盤が水平に保てないケースがあります。そうなってしまうと姿勢が崩れてスピードが落ちてしまいます。
接地時も骨盤が前後・左右に捻じられることなく、しっかりと安定させるために、以下のドリルを取り入れて、骨盤・股関節周りの筋肉を強化・適応させていきましょう!
<やり方>(動画1:10~)
1.BOXや階段などを使い、段差から体半分はみだすように立つ
2.片足が段差の上の方に乗っていて、反対側は浮いている状態をつくる
3.骨盤は正面を向けたまま、浮いている方の足を上下させる
※この時体を捻じらないよう注意しましょう
※骨盤を上下させることで足が上下するイメージで行う
うまくできると軸足側の外側の臀部が疲れてくると思います。これは主に中臀筋と呼ばれる筋肉で、片足立ちの際に骨盤を安定させる作用を持ちます。短距離走で骨盤周りを安定させるために重要な役割を果たす筋肉なので、まずはこのドリルで中臀筋に刺激を入れていきましょう!
ドリル② 片方スキップ
次は動きの中で片足支持を強化するためのドリルです。
<やり方>(動画3:55~)
1.まず右足で片足支持をする
2.右足で地面を蹴って前に進む
3.左足で軽く接地したらすぐに右足で地面について地面を蹴る
「トーントトーントトーン」というリズムで右足だけスキップをしているような動きになります。
ここでも大切なのは骨盤が前後・左右に捻じれないようにすること。接地時も骨盤が水平になっているか確認しながら、とにかく骨盤周りを安定させることに集中して行いましょう。
ドリル③ 片足ホッピング
片足ホッピングは、簡単に言うと片足ケンケンです。それを少し弾ませたものをホッピングと言っています。(動画7:40~)
ドリル②に比べると接地時の衝撃がかなり大きくなりますが、この衝撃にも負けずに骨盤を水平に保つための練習です。接地の衝撃を受けてもグラグラせずしっかり片足で支えて、且つ地面からの反発をもらって次の動きに繋げるという感覚を養うことができます。
動きとしても難しく、また負荷が大きいドリルになりますので、無理ない範囲で行いましょう。空中での動きについては考えず、とにかく接地時の骨盤の安定にだけフォーカスして行ってみてください!