ランニングにおいて、「股関節を使って走る」「お尻を使って走る」ということが言われますが、皆さんはこれを言われてしっくりきますか?おそらくほとんどの方はあまりイメージが湧かない、若しくは身体に落とし込めていないのではないでしょうか。
特にランニングは場所さえあれば誰でも出来るため、運動という運動をしてこなかった方や運動が苦手という方もランニングを行っています。運動初心者や運動が苦手な方は身体の感覚を今まさに育てているところなので、まだまだこの「股関節を使う」という意味が理解できない方も多いでしょう。
本稿では「股関節を使う」走り方に近づくために、1つのドリルを紹介します。
なぜ股関節を使うのか?
そもそもなぜ股関節を使わないといけないのでしょうか?そこから説明していきます。
走るという動作は、片足で立って地面に力を加える、そして少し弾みながら進んでいくという動作です。
そして、この片足で立って地面に力を加える時、トップの選手は股関節の曲げ伸ばしで力を発揮するのが約9割、膝と足首はほとんど力は使わず補助だけをしています。これが「股関節を使う」ということ。
それに対して市民ランナーの方などは、膝の曲げ伸ばしや足首の曲げ伸ばしの力ではずむ割合が大きいんです。
身体の末端に近くなるほど筋肉は基本的には小さくなっていきます。そのため、末端に近い力を稼働させればさせるほど、長い距離も走れないうえにスピードも出ません。人間の身体は末端の力で力強く、そして長く走れるような構造になっていないんです。
だから末端の力である、足首や膝を使った走り方は、疲れやすくタイムの伸びづらいということになり、より体幹部に近い股関節を使うことが推奨されるんです。
膝・足首を使わないドリル(動画:2:18~)
ではどうすれば股関節を使った走り方ができるのでしょうか?そのためのドリルを1つ紹介します。
<やり方>
・膝と足首の曲げ伸ばしができないよう意識的に固定します
・その状態で走ります
これだけです。言葉だと分かりづらいと思いますので、動画で実際の動きを確認してください。(動画2:18~)
例えばスキーブーツを履くと足首は使えませんよね?膝もギブスをつけていると曲げ伸ばしできません。そのようなイメージで自ら膝と足首を動かさないようにして走ります。そうすると身体のラインより後ろに足を動かすことが出来ないのが分かると思います。
この動きを行ったらそのままの流れで軽く走ってみる。そしてまたこの動きに戻してまた軽く走るといった具合に、途中途中でこのドリルを取り入れてみてください。
見た目が不格好なので、恥ずかしい方は夜やることをおすすめします!
どのようなドリルをすると理解が進むかは人それぞれです。だからこそ、分からないという方は色んな方法を試してみてください。その中の1つとして、上記も実際にやってみてください!