
2026年10月27日、舞台をみずほPayPayドームへと移して行われた日本シリーズ第3戦は、史上初の3戦連続の延長戦の末、福岡ソフトバンクホークスが延長10回に正木智也のソロ弾による2x-1で横浜DeNAベイスターズをサヨナラ勝ちで破った。ソフトバンクは、2年前の悪夢を払拭して3連勝とし、日本一連覇へと王手を掛けた。
正木智也 ― 全力で駆け抜けたサヨナラ弾
1―1の延長十回、一死走者なしからDeNA・ルイーズの3球目、152キロのツーシームを正木が捉えた打球は、スタンドのソフトバンクファンの歓声に乗って、弾丸で左翼ホームランテラスへと突き刺さった。
勝利を決めた一発は、今シリーズ第2号。打った瞬間は入ると思わず、二塁を目指して全力疾走していたという正木は、自身の喜びと共に、最少失点でつないだ投手陣への感謝も示した。
正木は1999年11月5日生まれ、東京都出身の26歳。慶応高、慶応大を経て2021年ドラフト2位でソフトバンクに入団。身長182センチ、体重89キロ。右投げ右打ちの外野手。
プロ5年目の今季は101試合で打率2割7分4厘、28本塁打、59打点を記録してチームのリーグ連覇にも貢献。長打力を備えた一番打者として成長し、大舞台で人生初というサヨナラ弾を放った姿は、今季の飛躍ぶりを象徴したシーンとなった。
勝敗を分けたポイント
試合は両先発が踏ん張る投手戦となった。
五回表、DeNAは三森大貴の盗塁で二死二塁とし、古市尊の中前適時打で幸先よく先制。先発の東克樹は走者を背負いながらも、7回を6安打無失点。4つの併殺で切り抜け、ソフトバンクに得点を許さなかった。
一方のソフトバンクも先発の松本晴が、先制点こそ許したものの、その後は6回1失点と粘り、救援4投手が無失点。逆転を信じる攻撃を支え続けた。
最大の分岐点は、0―1で迎えた九回裏である。先頭の栗原陵矢が二塁打を放ったものの、後続2人が倒れて二死二塁。ここで小久保裕紀監督は、二塁走者の栗原に替わり、俊足のイヒネイツアを代走へと送るが、この采配が見事に的中。牧原大成の右前打でイヒネが一気に本塁へ突入し、頭から滑り込んで同点のホームをもぎとった。あとアウト1つで敗戦という場面で、代走起用と一打が結び付いたのである。
そして延長十回表を杉山一樹が無失点に抑えると、その裏に正木による決勝弾。日本シリーズ史上初となる開幕3試合連続の延長戦は、息詰まる名勝負の中、そのすべてをソフトバンクが制した恰好となった。
3連勝で王手のソフトバンク ― DeNAはここから這い上がれるか
ソフトバンクは3勝0敗とし、2年連続の日本一まであと1勝となった。一方のDeNAはもはや後がなく、まずは残り2試合の敵地で勝利をものにし、その勢いのまますべてを再びホーム・横浜スタジアムの勝負へと賭けるしかない。
第4戦の予告先発はソフトバンクが前田悠伍、DeNAが平良拳太郎今季12勝1敗、防御率2・10の前田に対し、平良は5勝8敗、防御率3・30。ソフトバンクは好調の正木を起点に早い回から得点し、3試合続く接戦で負担のかかった救援陣に託すことなく、勝利を掴みたいところだ。
一方DeNAとしては、先制点を確実に取れる流れに歯こぼれはない。だからこそ勝利へつなぐ中押しとなる得点、そして終盤の戦い方が最重要ポイントと言える。加えて抑えのレイノルズは2試合続けて救援に失敗しており、登板順や走者を背負った際の対応が焦点となる。
そして、何より忘れてならないのは、これまでの3試合ともすべて延長戦での決着という内容は、両軍の差が一方的ではないことを示してもいる。DeNAは追加点を奪って救援陣の余裕をつくれるか。ソフトバンクは最後の1勝を焦らずつかめるかが見どころである。両軍とも、先発の立ち上がりはもちろん、中盤に差し掛かった時点での得点力が極めて重要な一戦となる。
試合スコアの詳細データ
SMBC日本シリーズ2026・第3戦
2026年10月27日/みずほPayPayドーム福岡
ソフトバンク 2―1 DeNA(延長10回サヨナラ)
| チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 得点 | 安打 | 失策 |
| DeNA | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 7 | 0 |
| ソフトバンク | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1× | 2 | 10 | 0 |
| 項目 | 記録 |
| 勝利投手 | 杉山一樹(シリーズ1勝0敗) |
| 敗戦投手 | J.ルイーズ(シリーズ0勝1敗) |
| セーブ | なし |
| 本塁打 | 正木智也・シリーズ2号ソロ(10回裏、ルイーズから) |
| DeNAの継投 | 東克樹 → 吉野光樹 → 岩田将貴 → S.レイノルズ → J.ルイーズ |
| ソフトバンクの継投 | 松本晴 → オスナ → 津森宥紀 → 鈴木豪太 → 杉山一樹 |
| 捕手 | DeNA:古市尊/ソフトバンク:海野隆司、山本祐大 |
| 試合時間 | 3時間20分(18時04分開始、21時24分終了) |
| 入場者数 | 36,800人 |
| シリーズ対戦成績 | ソフトバンク3勝、DeNA0勝 |
| 得点場面 | 内容 | 得点後のスコア |
| 5回表 | 古市尊の中前適時打で三森大貴が生還 | DeNA 1―0 ソフトバンク |
| 9回裏 | 牧原大成の右前適時打で代走・イヒネイツアが生還 | DeNA 1―1 ソフトバンク |
| 10回裏 | 正木智也の左越えソロ本塁打 | DeNA 1―2× ソフトバンク |
先発の東は7回6安打無失点、松本晴は6回6安打1失点。打撃では正木が3打数2安打1打点、牧原大成が3打数3安打1打点、古市が4打数3安打1打点を記録した。

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