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2年生エース中尾理佑10奪三振!史上初ビデオ検証!!9回大逆転!!!―有明vs立命館宇治に詰まった甲子園のドラマ 

2年生エース中尾理佑10奪三振!史上初ビデオ検証!!9回大逆転!!!―有明vs立命館宇治に詰まった甲子園のドラマ 

一回戦
有明(熊本) 6-3 立命館宇治(京都)

2026年8月7日、第108回全国高校野球選手権大会1回戦で、京都代表・立命館宇治と熊本代表・有明が激突した。立命館宇治は2年生エース・中尾理佑(なかお ゆうり)が7回115球、10奪三振の力投。3-2とリードしてマウンドを譲ったが、9回に守備が乱れ、有明が一挙4点。6-3の逆転勝利で春夏通じて甲子園初勝利を挙げた。

立命館宇治は3回裏、二死二塁から江原雅登(えはら まさと)が右翼へ適時二塁打を放って先制。6回には暴投で無死二、三塁となり、東慶太(あずま けいた)が右翼へ2点二塁打。中尾も6回まで有明を無得点に封じ、3-0と主導権を握った。しかし7回、有明が機動力で二、三塁を作り、永田晴輝(ながた せいき)の中前2点打で3-2と迫った。

中尾は7回を115球、5安打、10奪三振、2四球、2失点で投げ終え、3-2とリードした状態で降板。8回から2年生・坂本有央(さかもと あお)へ継投したが、9回に立命館宇治の守備が崩れる。敵失と2四球で二死満塁となり、永田が左中間へ走者一掃の逆転二塁打。さらに盗塁と捕手の悪送球で1点を加え、有明が6-3で逆転勝ちした。

両チームの地方大会での勝ち上がり

立命館宇治―中尾ら投手陣と終盤の集中打で京都制覇

立命館宇治は2回戦で府立工業に11-1、3回戦は峰山に8-1、4回戦は日星に10-2と3試合連続コールド。準々決勝では福知山成美に初回逆転を許しながら9回5得点で9-4、準決勝は京都翔英に6-2。決勝は鳥羽と3-3から8回に一挙7点を奪い10-3。3年ぶり5度目の夏切符を手にした。

中尾は日星戦で7回10奪三振、福知山成美戦では序盤の失点後を坂本有央と立て直し、決勝・鳥羽戦でも先発。京都大会から、長身右腕の中尾と坂本らを組み合わせる投手運用が立命館宇治の大きな武器になっていた。

有明―熊本工との延長死闘を越え、初の甲子園へ

有明は2回戦で千原台を5-0、3回戦で開新を5-0と連続完封。準々決勝は2回に6点を集中させ岱志を10-0の5回コールドで退けた。準決勝では熊本工と延長11回タイブレークにもつれ、実田聡志(さねだ そうし)の2点打などで5-4。決勝は東海大熊本星翔を4-1で破り、初の甲子園出場を決めた。

勝負を決めた選手―有明・永田晴輝、二死満塁で試合をひっくり返す

勝負を決めたのは有明の1番・永田晴輝。2-3の9回表二死満塁、坂本の2球目を捉え、左中間へ走者一掃の3点二塁打を放った。5-3と逆転すると、自ら三盗を決め、捕手の悪送球で本塁まで生還。この日は5打数2安打5打点。中尾から7回に放った2点打と合わせ、有明の全得点に絡む働きで甲子園初勝利を呼び込んだ。

最大のハイライト―「中尾降板後」の9回に起きた大逆転

立命館宇治にとって残酷だったのは、中尾が3-2とリードを守って降板した後だった。9回、有明は1死から敵失で走者を出し、2四球で満塁。二死までこぎつけたものの永田に逆転二塁打を浴びた。立命館宇治はこの回だけで2失策、2暴投、2四球。7回まで10三振を奪った中尾の力投も、最後の1イニングで報われなかった。

立命館宇治で光った3選手

中尾 理佑(なかお ゆうり)投手

2年・背番号1

188センチの長身から角度をつける直球と、スライダー、チェンジアップを投げ分ける右腕。この日は7回115球、5安打2失点、10奪三振。6回まで有明を無得点に抑え、3点の援護を引き出した。特に中盤は変化球で空振りを量産し、甲子園でも2年生エースの力量を証明した。

一方で7回は、有明の積極走塁によって二、三塁を作られ、永田に中前2点打を許した。打者そのものを抑える力は見せたが、走者を出した後の機動力への対応で有明に流れを渡した格好だ。それでも中尾の降板時点では3-2でリードしており、敗戦を直接招いた投球ではなかった。

江原 雅登(えはら まさと)捕手

2年・背番号2

2年生ながら主将と正捕手を務め、攻守の中心となる選手。3回二死二塁では右翼への適時二塁打で先制点を叩き出し、4打数2安打1打点。中尾の10奪三振を引き出すリードでも存在感を発揮し、序盤から立命館宇治優位の流れを作った。

だが9回は、永田の三盗に対する送球がそれ、そのまま6点目を許した。打撃とリードでは大きく貢献しただけに、最後の守備の乱れが結果へ直結したのは痛恨。中尾とのバッテリーで築いた1点リードを最後まで守り切れなかったことが、悔しさの残るポイントとなった。

東 慶太(あずま けいた)

3年・背番号3

左打席から勝負どころで長打を放てる中軸打者。6回無死二、三塁、フルカウントから右翼へ2点適時二塁打を放ち、1-0から3-0へリードを拡大した。4打数2安打2打点で、京都大会準々決勝でも4打点を挙げた勝負強さを甲子園でも発揮した。

一方、1点差に追い上げられた後の8回には見逃し三振。立命館宇治打線は6回の東の二塁打を最後に得点できず、終盤に中尾や救援陣を援護する追加点を奪えなかった。中軸の長打力を有明・斉藤に終盤封じられたことも、逆転を許す一因となった。

有明で光った3選手

永田 晴輝(ながた せいき)二塁手

3年・背番号4

高い出塁意識に加え、走力と勝負どころでの長打力を持つ1番打者。6回まで中尾に2三振を喫するなど苦しんだが、7回二死二、三塁で中前2点打。さらに9回二死満塁では逆転の3点二塁打を放ち、5打数2安打5打点。三盗から6点目のホームも踏み、攻撃の主役となった。

序盤は中尾の変化球に対応できず、1回、3回と連続三振。7回の適時打後に試みた二盗もアウトとなり、ビデオ検証でも判定は覆らなかった。それでも失敗を引きずらず、最後の満塁機で最大の仕事を果たした精神力が際立った。

斉藤 遼汰郎(さいとう りょうたろう)投手

3年・背番号1

140キロ台の直球と変化球を軸に攻める左腕エース。5回から登板し、5イニングを2安打、7奪三振、2四球。6回に暴投から二、三塁とされ、東に2点二塁打を許したものの、その後は立命館宇治打線を封じた。味方が逆転するまで追加点を与えなかったことが勝利の土台となった。

唯一の大きな反省点は6回。暴投で走者を進め、東に長打を浴びて0-3とされた。ただし以降は立て直し、7奪三振を奪って完了。立命館宇治が得意とする終盤の集中打を封じたことが、中尾降板後の逆転劇へつながった。

栄井 彰(さかい しょう)左翼手

3年・背番号7

塁に出れば積極的に次の塁を狙う、有明の機動力野球を象徴する選手。4打数1安打ながら2得点、2盗塁を記録。7回には左前打で出塁して走塁で中尾を揺さぶり、反撃の2得点につながる攻撃を演出した。9回も敵失で出塁し、逆転につながる走者となった。

打撃では1安打で打点はなく、中尾を力で攻略したわけではない。しかし、有明が7回に3盗塁を仕掛けるなど「足」で中尾と立命館宇治守備陣へ圧力をかけた中、その走力こそ最大の貢献。相手に落ち着いて打者だけへ集中させなかった点が数字以上に大きかった。

甲子園史上初の「ビデオ検証」実施

この試合では歴史的な出来事も起きた。7回表二死、中尾から2点打を放った永田が二盗を試みてアウト。有明ベンチが今大会から導入されたビデオ検証を要求し、夏の甲子園で初めてのビデオ検証が実施された。約2分の確認後も判定はアウトのまま。試合結果だけでなく、新制度の第1号としても記録に残る一戦となった。

戦評 ― 中尾理佑が示した「敗戦以上の価値」

スコアだけなら立命館宇治の3-6の敗戦だが、中尾理佑は2年生で甲子園のマウンドに立ち、7回115球、10奪三振、2失点。3-2のリードを保ったまま役割を終えた。有明はその中尾を完全攻略したのではなく、7回に「足」で突破口を開き、降板後の9回に失策と四球を逃さず逆転した。

勝敗を分けたのは、中尾の投球そのものよりも終盤の試合運びだった。有明は4盗塁を記録し、永田が5打点。立命館宇治は8安打と相手を上回りながら3失策。敗れはしたものの、長身から投げ込む直球と変化球で全国の打者から10三振を奪った中尾の投球は、今後への強烈なインパクトを残した。

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