FMVスポーツ

退場直後の延長後半に訪れた悪夢 ―アルゼンチンの連覇の夢を打ち砕いたトーレスの一撃で、スペイン4大会ぶり2度目の頂点へ

退場直後の延長後半に訪れた悪夢 ―アルゼンチンの連覇の夢を打ち砕いたトーレスの一撃で、スペイン4大会ぶり2度目の頂点へ

2026年7月20日(日本時間)、ニューヨーク・ニュージャージー・スタジアムで行われたサッカー国際大会決勝は、スペインが延長戦の末にアルゼンチンを1-0で破り、2010年の以来4大会ぶり2度目の優勝を飾って、その幕を閉じました。

スペインは序盤からロドリを中心にボールを保持し、高い位置からのプレスでアルゼンチンの攻撃を封じたものの、守護神GKエミリアーノ・マルティネスが次々と好セーブを連発し、90分間では決着がつきません。延長106分、緩く上がったペナルティエリア右サイドのボールをニコ・ウィリアムズが頭で落とし、途中出場のフェラン・トーレスがハーフボレー。ゴール上部へ突き刺した先制点がそのまま決勝点となり、スペインの勝利を手繰り寄せました。

両国の決勝までの勝ち上がり

アルゼンチンはグループJでアルジェリアに3-0、オーストリアに2-0、ヨルダンに3-1と3連勝。決勝トーナメントではカーボベルデに3-2、エジプトに3-2、スイスに3-1で勝利しました。準決勝でもイングランドに先制されながら、エンソ・フェルナンデスラウタロ・マルティネスの終盤の得点で2-1と逆転。連覇へあと一歩まで迫りました。

スペインは初戦でカーボベルデと0-0に終わりましたが、サウジアラビアを4-0、ウルグアイを1-0で破り、グループHを首位で通過。決勝トーナメントではオーストリアに3-0、ポルトガルに1-0、ベルギーに2-1と勝利。準決勝ではオヤルサバルペドロ・ポロの得点でフランスを2-0で下し、堅守を武器に決勝へ進みました。

勝負を決めた選手とシチュエーション ― フェラン・トーレス

勝負を決めたのは、途中出場のフェラン・トーレスです。アルゼンチンが退場者を出して数的不利となった延長106分、同じく途中出場のニコ・ウィリアムズが競り合いでボールを落とすと、迷わず左足を冷静に振り抜きました。試合を通してアルゼンチンの堅守に苦しんだスペインでしたが、交代選手2人の連係がこの試合20本目となるシュートで遂に均衡を破り、優勝を掴みとりました。

特に光った両国選手ピックアップ3選

スペイン

フェラン・トーレス

26歳/FCバルセロナ/代表背番号11

前線の複数ポジションをこなし、守備ラインの背後へ飛び出す動きと、少ないタッチで仕留める決定力を備えたプレイヤー。途中出場から延長106分に大会初得点となる決勝弾を記録。一方、投入直後はアルゼンチンの低い守備ブロックに進路を消され、ボールに触れる回数は限られました。それでも一度の決定機をものにし、最大の仕事を果たしました。

ロドリ

30歳/マンチェスター・シティ/代表背番号16

正確な配球、強固なボール保持、危険なスペースを先回りして埋める守備力が持ち味。中盤で試合のテンポを支配し、メッシへ入る縦パスを遮断。スペインが攻撃を継続できる土台を築きました。アルゼンチンが中央を狭く守ったため、直接得点へつながる縦パスは限定されましたが、攻守両面で相手の反撃を抑え、大会最優秀選手にも選ばれました。

ニコ・ウィリアムズ

24歳/アスレティック・クルブ/代表背番号17

鋭い加速と縦へのドリブル、左右両足からのクロスが武器のアタッカー。途中出場すると疲れの見えたアルゼンチン守備陣を押し下げ、106分には空中戦でボールを落としてトーレスの決勝点をアシストしました。出場直後は厳しい寄せを受け、得意の一対一を作れませんでしたが、中央へ入る動きに切り替えた判断が勝利へ直結しました。

アルゼンチン

エミリアーノ・マルティネス

33歳/アストン・ヴィラ/代表背番号23

至近距離での反応、相手との駆け引き、守備陣を鼓舞するリーダーシップが特徴の守護神。スペインの猛攻に対して大会決勝記録級となる数多くのセーブを重ね、試合を延長戦まで持ち込みました。しかし、トーレスの至近距離からのハーフボレーには反応し切れませんでした。敗戦したものの、アルゼンチンが最後まで優勝の可能性を残せた最大の功労者です。

リオネル・メッシ

39歳/インテル・マイアミ/代表背番号10

狭い空間を抜けるドリブル、正確なラストパス、左足から放つシュートが最大の武器のスーパースター。この試合では、スペインはロドリを中心に複数人でパスコースを管理し、メッシが前を向く場面を徹底的に制限。低い位置ではボールを受けたものの、ゴール付近で決定的な仕事はできず、最後まで攻撃の突破口を見つけられず、涙の敗退となりました。また、大会得点王も10得点を記録したキリアン・エムバペ(フランス)にあと一歩及ばず、彼のワールドカップ出場は事実上終わりを告げたものと思われます。

クリスティアン・ロメロ

28歳/トッテナム・ホットスパー/代表背番号13

強気な対人守備と前へ出てボールを奪うプレー、空中戦の強さを備えるセンターバック。スペインの中央突破に身体を張って対応し、オヤルサバルらに自由を与えませんでした。ただし、終盤は数的不利の中で守備範囲が拡大。トーレスの決勝点ではニコの競り合いとトーレスの飛び込みを同時に管理できず、守備組織を維持し切れませんでした。

想定外のアクシデント ― エンソ・フェルナンデスの退場

アルゼンチンはエンソ・フェルナンデスが危険なタックルで退場となり、延長戦を10人で戦うことになりました。その直後の106分に決勝点を許したため、この退場が勝敗を大きく左右しています。試合終了後には両チームの選手やスタッフが衝突し、レアンドロ・パレデスも退場処分に。選手同士がつかみ合う騒動へ発展し、歴史的な決勝に後味の悪さを残しました。

スペインが示した優勝の理由

スペインはボール保持、高い位置からのプレス、素早い攻守の切り替えを最後まで継続しました。大会8試合で許した失点はわずか1点。決勝でもアルゼンチンに有効なシュートをほとんど許さず、堅守と選手層の厚さを証明しました。先発選手だけでなく、途中出場したニコ・ウィリアムズフェラン・トーレスが決勝点を生み出したことも、スペインが頂点に立った大きな理由です。

ここにロドリの安定感のある中盤支配力とオヤルサバルのテクニカルさ、さらにどんな状況でも一瞬で打開して突破口をこじ開ける若き新生、ラミン・ヤマルの妙技も合わさり、まさにスペイン無敵艦隊の堂々たる歴史の幕開けを感じさせる優勝となりました。

Return Top